トータルブレインのマンション最前線 埼玉エリアのマンション市場動向(下) 冷静な判断で物件評価を 沿線・駅エリア別における 各時期の分譲単価と供給戸数の推移
住宅新報 2012年5月15日 号 7面

沿線・駅エリア別における各時期の分譲単価と供給戸数の推移
トータルブレインがまとめたリポート「埼玉エリアのマンション市場動向」の中で、前回は戸建て市場との比較にスポットを当てた。今回は、リポートの中で分類されている15沿線エリアの中から、旧価格時代と比較した価格上昇率の上位4エリアを報告する。
埼玉エリアの15沿線・エリアを調査したところ、旧価格時代(00~05年)と比べた11年(現時点)の平均上昇率は15.2%。11年のデータが出なかった1沿線以外は、すべて上昇している状況だ。
その中にあって、今回は上昇率20%以上の4沿線を分析した。
まず、最も高い27.4%の上昇率を示したのが、京浜東北・埼京線の与野~大宮・北与野エリア。このエリアは、再開発などの街づくりが活発に行われているため、マンション供給が非常に多いエリアだ。大宮では大型タワーが多数供給されており、さいたま新都心も大型物件が相次いでいるため、歴年で激戦エリアとなっている。以前は800~1000戸台の供給が続き、リーマンショック以降も500戸前後のボリュームが続いている。
マーケットとしては非常に大きいが、手前の東京寄りからはそれほど集客できないため、価格設定には慎重な判断が必要だ。トータルブレインでは、「基本的には分譲単価170万~190万円、3000万円台後半~4000万円台前半までがボリュームゾーン」といった判断だ。また、今後の供給材料が比較的多いことも考慮すべきだと注意している。
東武伊勢崎線の蒲生~北越谷エリアは23.9%の上昇率。11年の分譲単価は167万円強を示しているが、「旧価格時の130万~135万円程度が適正水準。新価格以降は高止まりしており、販売苦戦エリアとなっている」と指摘している。「適正グロス価格は2000万円台後半~3000万円程度、アッパーでも3000万円台前半まで」。旧価格時の水準を目指して事業展開すべきエリアのようだ。
埼京線の武蔵浦和~中浦和エリアは、特に武蔵浦和駅の再開発事業が市場をけん引している。全体として、旧価格時と比べて20.8%の上昇だ。
再開発エリア内の物件は高値でも好調で、近年でも220万円程度の分譲単価で好調なタワーマンションがあったという。エリアのポテンシャル・評価は大幅に向上しているが、その中心は、再開発のタワー物件であるのも事実。そのため、「個別物件の単価の見極めに関しては、立地条件や物件力を加味しながら慎重に判断すべき」という。
西武池袋・新宿線の所沢~小手指・新所沢エリアは、20.3%の上昇率。トータルブレインでは、駅力から見ると、旧価格時の130万円台の分譲単価は低水準と見ている。近年は170万円台に回復し、更には180万~190万円台の物件も見られるようになった。これらの高単価商品が平均相場を引き上げているが、一部の大手の好立地物件を除けば市場相場は140万~150万円程度が妥当といった判断だ。
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前回と今回のリポートを通じて、トータルブレインでは「埼玉のマンション市場の安定感は高い」としている。ただ、「一部の人気エリアに供給が集中している」「市場相場の高止まり感が強い」「相場が一部の好立地物件に引きずられている」といった問題点も表れているようだ。そのため、「物件ごとにその立地条件・マーケットの購入体力などを冷静に評価することが必要」と結論付けている。
























