細野透×殿木真美子 旬な作品=住宅レビュー= (53) 仙川沿いの傾斜地に立地 ジオ成城学園前 阪急不動産
住宅新報 2012年1月17日 号 12面
連載: 旬な作品 住宅レビュー
阪急不動産が建設中の「ジオ成城学園前」および「ジオ市ヶ谷払方町」の2物件を取材した。前者は東京都世田谷区砧8丁目にある31戸、平均坪単価342万円の物件で、後者は新宿区払方町にある41戸、平均坪単価363万円の物件。いずれも、「ミドルアッパー層」をターゲットにした、グレード感漂うデザインが特徴的である。
ジオシリーズに興味を持った理由のひとつは、前者はIAO竹田設計、後者は日建ハウジングという業界でトップクラスの力を持つ設計事務所を起用しているにもかかわらず、依頼内容が「意匠・設備設計」に限定され、「構造設計」に関してはともに施工者である木内建設に依頼していること。筆者の理解によれば、静岡市に本社を置く中堅建設会社である木内建設の構造設計者と、IAO竹田設計および日建ハウジングに所属する構造設計者では、力量に遜色がないはずである。それなのに、なぜ、構造設計だけを切り離すのだろう。
取材に対応してくれた、阪急不動産首都圏事業部事業推進担当上席調査役である松尾九子(ひさこ)氏の名刺を見て、少し驚いた。一級建築士、宅地建物取引主任者と記している。企画担当者でありながら、一級建築士の資格を持った人には余りあったことがない。松尾氏によると、ジオシリーズでは「品と質」を重視。首都圏でマンション事業に従事する約30人のスタッフのうち、品質管理部門に約10人を配置しているそうだ。販売は外注という事情を考慮しても、3分の1もの手厚い布陣は異例である。

















