都市部賃貸に経営資源集中 2030年度売上高5千億円を目標 パナソニックホームズ 藤井孝 代表取締役社長
住宅新報 2026年7月14日 号 10面
パナソニックホームズの藤井孝代表取締役社長は7月3日、大阪市内でメディア懇談会を開き、2030年度を見据えた住宅事業モデルの変革方針を示した。人口減少や単身世帯の増加、金利上昇、担い手不足など住宅市場を取り巻く環境変化を踏まえ、従来の戸建住宅中心から都市部の賃貸住宅事業へ経営資源を重点配分する方針を示し、「一番に頼られる、〝真の暮らしのパートナー〟」を目指す考えを明らかにした。
同社は2025年度、売上高3883億円、営業利益161億円と過去最高を更新した。こうした実績を土台に、2030年度には売上高5000億円、営業利益250億円を目標に掲げる。事業構成では都市部の賃貸住宅を成長エンジンと位置付け、東京・名古屋・大阪・福岡を中心に多層階住宅「ビューノ」や、立地条件や事業計画に応じた高齢者施設、ホテルなど非住宅分野も含めた開発を拡大する。ランドセット事業や管理戸数の積み上げにより、賃貸住宅事業の売上高は2030年度に2560億円を目指す方針だ。
一方、戸建住宅は「循環型事業」への転換を進める。新築、リフォーム、住宅流通を一体化し、顧客の生涯に寄り添う体制を構築するほか、地域特性を取り入れた「日本の家」プロジェクトや、平屋・企画型住宅の拡充などで地域ニーズへの対応を強化する。また、住宅流通では「SumStock(スムストック)」を軸に資産価値の維持・向上を図る考えだ。
質疑応答では、相続や高齢化に伴い増加が見込まれる「空き家予備軍」への対応についても言及した。藤井社長は、中山台ニュータウン(兵庫県宝塚市)のまちづくりを例に、「重要なのは住宅の資産価値を維持すること」と指摘。その上で、「住宅をリフォームし、売却し、若い世代へバトンタッチする仕組みを、事業としてもサービスとしても提供していきたい」と述べ、団地再生に加え、一般木造住宅についてもインスペクションや保証、耐震改修などのサービスメニューを充実させる考えを示した。
藤井社長は「メーカー視点で住宅を供給するのではなく、お客さまの暮らしからバックキャストして事業を組み立てる」と強調。「住宅会社から『暮らしのパートナー』へ進化し、社会課題の解決にも貢献していく」と語った。



















