福岡・新長浜団地で解体着手 旭化成ホームズ 借地権マンション再生へ
住宅新報 2026年6月23日 号 22面

旭化成ホームズは、福岡市中央区の「新長浜団地」(現況写真)で、マンション建替等円滑化法に基づくマンション敷地売却制度を活用した再生事業に着手した。事業協力者および買受人として参画しており、このほど解体工事を開始した。2030年8月の建物竣工を予定する。
同団地は1957(昭和32)年竣工の鉄筋コンクリート造6階建て。敷地利用権が借地権で、土地所有者は福岡県住宅供給公社。建物の大半を同公社が区分所有し、公社賃貸住宅として供給していた一方、ほかに6人の区分所有者が存在するなど、権利関係が複雑だった。旧耐震基準の建物で現行の耐震基準を満たしておらず、管理規約の未整備や計画修繕の未実施など、維持管理・安全面でも課題を抱えていた。
22年の集会で建物劣化や地震リスク、今後の維持困難性が共有され、建て替えや敷地売却に向けた検討を開始。22年12月に旭化成ホームズを事業協力者に選定し、23年3月にマンション敷地売却推進決議、24年3月にマンション敷地売却決議が可決された。25年7月にはマンション敷地売却組合の設立認可を受けた。
同事業では、マンション敷地売却制度を活用して建物と借地権をいったん旭化成ホームズが取得。その後、同社が従前建物を除却し、福岡県住宅供給公社との間で底地と借地権の一部を等価交換することで、所有権として2敷地に再編する。旭化成ホームズは取得した所有地でマンションを建築・分譲する計画だ。
借地権マンションは、権利変換型の建て替えでは建て替え後も借地権マンションとなるのが原則で、所有権化には全員同意による権利調整が必要となるなど合意形成の難度が高い。今回の事業では、マンション敷地売却制度と底地・借地権の等価交換を組み合わせることで、旧耐震、借地権、複合用途、多数の賃貸テナントといった複合的課題の解決を図った。
新長浜団地の所在地は福岡市中央区長浜2丁目。敷地面積は1969m2、延べ床面積は5506m2。総戸数は124戸で、内訳は住戸80戸、店舗44区画。
旭化成ホームズは2000年からマンション建て替え事業に取り組み、11年に「マンション建替え研究所」を設立。26年6月1日時点で、事業協定書締結ベースで82件の建て替え実績を持つ。

















