プレ協 試作棟が完成、完成状態で輸送 設置完了型の応急仮設住宅を開発 災害発生初期段階での活用を想定
住宅新報 2025年7月29日 号 10面
プレハブ建築協会(芳井敬一会長=大和ハウス工業会長)はこのほど、設置完了型の応急仮設住宅の試作棟を完成、富士公園(東京都江戸川区)駐車場内に設置した。
24年元日に発生した「令和六年能登半島地震」での経験を基に開発を進めた。同地震では石川県内の約65%相当の4467戸の応急仮設住宅を建設。道路や上下水道などのライフラインが寸断され、被災地近郊の宿泊施設の確保などが困難な中、元日の地震発生当日から同県と打ち合わせを開始したが、人手の確保や資材の運送に難航。金沢からのアクセスに通常の倍近くの時間を要し、現場での作業時間が削られた結果、完成は2月21日と、1月12日の着工から1カ月以上を要した。
そこで、従来の現場組み立てではなく、工場で組み立て、完成させた状態で輸送し、現地では設置・接続だけで施工を完了させる設置完了型の応急仮設住宅の開発を同協会規格建築部会で進めた。
同住宅は、水回りなどを集約した設備ユニットとエアコンを搭載した居室ユニットで構成。断熱材や二重サッシを採用しており、試作棟は、2棟を連結する1LDKで4523ミリ×5600ミリ。
住設機器や造作などをあらかじめ被災地から離れた安全な場所で完成させることで、現地に職人が赴かなければならない工程を削減し、現場での作業を基礎の設置とユニット間や配管などの接続のみで完了する仕様とした。道路状況や宿泊施設の有無に左右されず、現地での労働力確保が困難であっても、運送業者と現地で設置する作業員の確保だけで設置を完了できる仕様とし、熟練の職人も不要とした。
現場作業も「肌感覚では、20~30棟程度は1日で組み立て終わる」という。自治体からの要請を受けてから引き渡しまで18日程度での完了を目指した。短期間で数十棟単位で建設していくといった、迅速な対応が必要な災害初期段階での活用を想定している。
災害発生時の運用については、既存の仮設事務所や仮設店舗などに会員会社が各社でストックとして保持している既存のフレームを活用し、各社の工場で組み立てる方針。試作棟については、平常時の運用も今後は検討していく考えだ。




















