潮流2025年 住宅・不動産業界 低金利が促す高額取引
住宅新報 2025年1月7日 号 1面
住宅・不動産業界を取り巻く事業環境を見れば人口減少に伴う需要の先細りに危機感が募り、東京一極集中に代表されるように都市と地方の地域格差も拡大するばかりだ。不動産各社の競争は激しい。2025年はどうなるか。株式市場に「辰巳天井」という格言がある。辰年と巳年に株価が天井をつけやすいことを意味しているが、不動産市場に目を転じれば分譲マンションや商業用不動産の取引価格は高騰し、ピーク感が募っている。米国はトランプ氏が大統領に返り咲きとなり、不確実性の高い経済環境が少なくとも4年続く。国内政治も少数与党で不安定だ。巳年を展望する。(中野淳)
収益不動産にインフレ恩恵
「不動産取引は引き続き高値圏で推移する」。これは、複数の専門家にヒアリングした見通しだ。ジョーンズ ラング ラサール(JLL)では、日本を成長戦略先の一つと位置付ける。JLL日本の河西利信社長は、「マクロ要因が日本の不動産投資マーケットにフォローの風として吹いている」と指摘する。ロシアとウクライナが干戈を交え、中国の景気低迷、台湾海峡を巡る問題、中東紛争など地政学リスクを回避する資金が日本に流入しているとの認識だ。お隣り韓国では12月に非常戒厳令が一時敷かれたことで社会が混沌としている。
そんな中で米投資ファンドのブラックストーンが「東京ガーデンテラス紀尾井町」を4000億円で取得することが明らかとなった。JLLによれば、日本の不動産取引額は24年に5兆円と10年ぶりの水準になるという。これからアジアで日本が独り勝ちの様相を呈しそうだ。同社キャピタルマーケット事業部リサーチディレクターの内藤康二氏は、「低金利の状態でレバレッジをかけて不動産取引をしていれば不動産価格が下がるような状況にはならず、現状のまま推移する」と話す。コロナ禍からの回復基調が顕著なオフィスなど伝統的な不動産に資金が向かうと読む。















