日本戸建管理・吉村卓也取締役に聞く 住宅メンテをサブスク化 BtoBで業務効率化を
住宅新報 2023年1月31日 号 12面

――『家ドック』商品化の背景は。
「戸建て住宅は引き渡し後の経年で劣化が進み、当初の性能が保持できなくなってくる。新築時の性能維持のための不具合箇所の早期発見は非常に重要な問題で、そのためにも定期点検の継続実施が必要不可欠になってくる」
「住宅会社は住宅購入者に対するサービスとして、定期点検以外にも水漏れや停電などの復旧作業やリフォームなど迅速に対応する業務体制が求められる。引き渡し棟数が増え続ければ、点検業務が負担となり、自前の資力では業務を継続することが困難になる住宅会社も出てくる。その結果、不十分なアフターフォローで住宅性能の劣化を招いてしまい、施主とのトラブル要因となっているのも事実としてある」
――アフター業務負担の分散化が課題。
「そうだ。この課題を解決するため当社では、OB顧客の関係継続やリフォーム、緊急時のコレクトサービス、診断履歴の管理など一元管理するサービスを考案した。業務効率化のための定期点検のアウトソーシングだ」
「『家ドッグ』のサービスは主に点検と緊急時対応をセットにした3点からなる。1つは、プロが建物をきめ細かくチェックして詳細報告書を作成し、定期的に建物の状態を把握しながら計画的・効率的な修繕で住宅寿命を延ばす『家ドック地域の定期点検サービス』。住まいの駆けつけサービスも年2回、無料で利用できる」
「2つ目は、水漏れや玄関鍵の不具合・紛失、窓ガラスの破損、電気・ガス設備の故障など住まいのトラブルの際に駆け付けて必要な処置を行う24時間体制の『家ドックコンシェルジュ24』。予期せぬ故障や突然の不具合で困ったときにいつでも頼れる安心サービスとして提供する。これら2サービスは月額1100円で利用できる」
――住宅メンテナンスのサブスクリプションサービスとしての展開。もう1つは?
「月額負担なしで利用できる『駆けつけサービス』。住まいのトラブル時に直ちに急行し、水漏れ修理や窓ガラスの破損修理など様々な応急処置・修繕に対応する。こちらは出張費・応急処置費・修繕費など都度料金でサービス時間内での対応だ」
「定期点検は国土交通省の『既存住宅インスペクション・ガイドライン』(17部位・約200項目以上の箇所)に準拠、点検漏れを防ぐ。点検や工事は当社で研修を受けたスタッフ『点検マイスター』と『工事マイスター』がそれぞれ担当、的確に対応する。実施期間は住宅会社によって希望する期間を選択できるほか、点検時に施主様にはアンケートを依頼。後日、診断評価書とアンケートから『住んでみて、初めてわかった』悩みを解決する提案書を合わせて提出するなどカスタマーサービスの向上も具体化できるようにしている。結果として新規リフォーム受注につながるケースもあった」
――今後の展開は?
「3つのサービスを通して一層のBtoB展開を拡大・重視したい。こうしたサービスを望む分譲会社のニーズは必ずある。そのためにも、全国どこでも均一したサービスを提供できる体制を構築すること。とりわけ人的資本の強じん化も具体化できるようスタッフ研修のマニュアル化を図り早期実現する」
「一方では、点検を通して施主様には修繕積立金の重要性を知ってもらうことにも注力する。必要な修繕も資金がなければ実施できない。併せて、人間の体と同様、目には見えない家の劣化を定期点検で早期発見・治療することが重要であることを啓発していきたい」

















