コンクリートは堅固で蜜実、構造強度が高く建築物や橋脚などの土木構造物に使われるというイメージですが、隙間だらけ(空隙率は30%前後、自然の土壌は50%前後)の組成を持つポーラスコンクリート(以下PC)もあります。ポーラスporusとは多孔の、といった意味ですが、お菓子の「粟おこし」や「雷おこし」のように隙間だらけにも関わらず、一体化している組成のコンクリートです。極端に砂などの細骨材を減らし、セメント、水とモルタルでコーティングした粗骨材だけで製造する多孔質のコンクリートです。空隙が多く保水力を有しているため、植物や微生物の棲息が可能であり、環境に配慮したコンクリート構造物の築造が可能です。
川や池などで土の堰堤に代えてコンクリートの護岸を設置すると、自然の浄化能力が失われ、生態系保全の意味からコンクリートの堰堤は使うべきではないとする意見があります。そこでビオトープのように多孔質によって微生物の棲家を確保し、自然の浄化能力を保全する目的で開発されたのが、PCを利用した水質浄化コンクリートです。生物を利用した水質浄化の原理は生物的固定と代謝分解です。
PCによる水質浄化能力は、微生物などの生息生物の量と種類および微生物の代謝機能を働かせる培養条件等の設置環境条件により異なりますが、PCの表面は空隙が多いために生物が生息しやすく、空隙の大きさに応じ微生物を始めとして大型の水生生物まで生息可能です。また内部まで連続した空隙となっているため、空間形状が複雑であり、種々の生物が内部まで生息することで多様な生物圏が形成されます。


















