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スタンダード会員限定新築マンション、攻勢へ 震災後、本格的に供給増 「割安感」はますます重要に

住宅新報 2011年10月25日 号 1面

住まい・くらし

 不動産経済研究所の調査によると、首都圏で9月に供給された新築マンションは3713戸で、前年比16.7%増加。7カ月ぶりに2ケタ台の増加率となった。「震災の影響でストップしていた供給が、ここにきて復活し始めた」(不動産経済研究所)。契約率も77.7%を確保し、需給ともに好調を示す数字となった。

 震災以降、特にマインドが冷え込んでいたのは供給サイドだった。3月、4月と『自粛』により供給を控えていた分、ゴールデンウイークに入って各社とも目玉物件をぶつけてきたが、その後は再び停滞。6月は前年を32%下回り、7月、8月は辛うじて前年並みを確保したものの、同研究所は予想していた5万戸の年間供給量を、4万5000戸に下方修正せざるを得ない状況となった。

 9月の供給増は、『秋商戦』のスタートで各社とも照準を合わせていたという背景もあるが、「震災後のこのような状況でも、需要は健在」ということを供給サイドが実感できたことも大きな要因だ。

契約率は好調に推移

 初月契約率は、8月にわずかながら好調ラインの70%を切ったものの、その他の月はすべて70%を上回った。「モデルルームへの来場者は減少したが、それを補うだけの歩留まり率の上昇がある」という声が多い。購入のタイミングに差し掛かっている人の意欲は、決して衰えてはいない。「供給(販売)しても大丈夫」とマンション会社がギアチェンジしたのが9月だったといえる。

高額物件は今後も苦戦か

 「当面、需要について大きく落ち込むことはなく、また、大きく上向くこともない」と話すのは、マンションコンサルティングのトータルブレイン・久光龍彦社長だ。

 「割安感のある物件が多く、低金利の住宅ローンや政府の住宅取得支援策が、購入マインドを依然として刺激している」と指摘する。ただ、様子見のエンドユーザーも確かにいて、更に、高額物件の苦戦は今後も続くことを予想。「とにかく割安感を打ち出せる供給体制が必要」と分析している。

駅遠ネックを打ち消す

 割安感をうまく訴求し、順調な販売となっているのが「志木の杜レジデンス」(事業主=総合地所・長谷工コーポレーション、総戸数319戸)だ。

 東武東上線の中では人気が高い志木駅で、80平米台の3LDKタイプが2000万円台後半から購入可能。バス便立地のネックを吹き飛ばす反響の高さだ。震災以降本格的に販売を開始し、213戸の契約が終了している。

 割安感に加えて、他にはない『付加価値』による供給で好調なのが、タカラレーベンだ。戸別太陽光発電と蓄電池をセットにしたマンションを、横浜市旭区と埼玉県戸田市で供給している。どちらも郊外・バス便立地だが、「これまでにないアッパー層からの反響が多数ある」(タカラレーベン)。両物件とも、計画を大きく超える販売状況を示している。

「湾岸エリア」で注目物件

 今後のマンション市場を占う上で、避けて通れないのが「湾岸エリア」だ。市場の大きな下支えとなってきたエリアだが、震災以降は液状化の被害によるマイナスイメージで、販売が滞っていた。

 そんな中、東京・豊洲の湾岸エリアで、地上52階建て・総戸数600戸のタワーマンション「プラウドタワー東雲キャナルコート」の案内会を、9月10日からスタートしたのが野村不動産。

 10月21日時点で、モデルルームには1800組が来場した。同社でも驚くほどの反響ぶりだという。

 久光氏は、「都心に近い湾岸エリアの人気は根強いものがある。供給サイドは、地震や地盤、電気系統(特にエレベーター)に対して、エンドユーザーが抱える不安感を見事に払しょくする商品企画を用意するはずだ。価格設定を間違えなければ売れる」と話す。

 三菱地所レジデンスが年明けから販売する「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」にも多くの反響が集まっており、また、その他の大手不動産会社でも供給を計画している。これらのマンションが、「湾岸復活」の象徴物件となるか注目が集まる。

激しい二極化

 回復の兆しが見え始めたマンション市場だが、懸念材料もある。多くのマンションディベロッパーから聞かれるのが、「好調物件と不調物件の二極化が、非常に激しくなっている」といったことだ。不調物件は、やはり価格面でのメリットを打ち出せないものが多いようで、頭の痛い問題となっている。

 更に、具体的になりつつある増税政策を受けて、購入マインドが低下に傾いていくことも否めない。これまでも重要とされていた「割安感、適正価格」だが、ますます重要度が高まっていくキーワードになるようだ。

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