この地上において今、 住まいが未来を語り始めた ◇2 住宅評論家 本多信博 どうなる「アフターコロナ」 依然事態は進行中
住宅新報 2020年7月28日 号 11面

再び増え始めた通勤客。「アフターコロナ」を議論するのはまだ時期尚早なのかもしれない
東京駅から多くのサラリーマンが吐き出されてくる映像はさして珍しくもないが、「経営者の皆様へ」で始まるナレーションが新鮮だ。「社員に通勤を頑張らせることは必要ですか。がんばるな、ニッポン。これからもテレワークという選択肢を」と続く。これは、働き方改革支援サービスを展開するサイボウズ(青野慶久社長)のTVコマーシャルである。〝がんばるな、ニッポン〟というフレーズはユニークだし、〝通勤は必要ですか〟という問い掛けには未来がある。何十年か後に本当に通勤のない社会になっていたら、その時代の人たちは、「そういえば、そんなコマーシャルがあったね」と懐かしがるだろう。
通勤という概念の消滅は人間社会にコペルニクス的転回をもたらすことになる。人間にとって仕事が純粋に〝ジョブ型〟概念となる。与えられた業務をどれだけ効率よく遂行できるかによって報酬が決められる。これは個人単位の場合もあるし、チームを組んで遂行するケースもある。
ニューノーマルって何? 〝アフターコロナ〟を巡って、「新たな日常」(ニューノーマル)が定着するかという議論も盛んである。気になるのは、それはコロナウイルス流行の長期化を前提にしているのか、それとも仮に1年以内に収束しても〝3密〟を回避した行動はトラウマのように人々の記憶に残るからなのか、そこが曖昧になっている点だ。

















