日本ビューホテル 浅草のホテル、年内開業へ 木組みで「和」を訴求
住宅新報 2020年7月28日 号 10面
日本ビューホテル(東京都台東区、遠藤由明社長)は東京都台東区浅草二丁目に新規直営ホテルとして「浅草ビューホテルアネックス六区」を年内に開業する計画だ。7月16日には報道陣を対象に見学会を開いた。
同社事業開発室の佐藤修室長は「土地の記憶を残したホテルを建てようと、『和』のコンセプトを採用した。芝居小屋を意識させるしつらえを施した」と説明する。同ホテルの立地エリアは浅草寺や雷門、仲見世通り、かっぱ橋道具街、上野・アメ横といった観光スポットが多い。隅田川を挟み、東京スカイツリーにも近い。
浅草二丁目地区は昭和初期から映画館や寄席・劇場が並び、今も大衆的な伝統文化が残る。同ホテルも松竹が運営する映画館の跡地に建てられた。同ホテルへの交通アクセスは首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス浅草駅から徒歩2分、東京メトロ銀座線田原町駅から徒歩8分、都営地下鉄浅草線浅草駅から徒歩10分。
同ホテルの土地は浅草寺、建物は松竹がそれぞれ所有。構造は鉄骨造の10階建て。延べ床面積は9950m2、客室数は199室。そのうち35室は和室・和洋室。フィットネスジムも設けた。施工・設計は大和ハウス工業、デザインは丹青社が担当した。
本物志向を徹底
顧客が同ホテル内の「和」のコンセプトに違和感なく溶け込めるように、エントランスを「江戸浅草組み」と命名し、柱梁(はしらはり)組みを設けた。木組みは地元の澤工務店が施工した。佐藤室長は「日本に加え、海外のお客様に見ていただく。神社や仏閣など日本の伝統的な建築物は釘を使わず、木材を組み合わせることで強度を増すもの。そういった点を見ていただく」と説明する。
2階のロビーには梁が見渡せるようにガラス面を施し、カウンター席も設けた。天井は木材でしつらえ、玄関の梁と室内がつながるような空間設計を採用した。
木材は奈良県吉野産のヒノキ材を使用。日本ビューホテル、施工者、デザイン担当など関係者一同が奈良県まで足を運び、木材を視察した。梁材はプレカットで行ったが、柱材はすべて手加工になる。ポラテック(埼玉県越谷市)が納入した。同社プレカット営業本部の園部雅子本部長は「工場の作業者もこれほど状態のよいヒノキを扱うケースは多くない。フォークリフトで運ぶときに手が震えたという話も聞いた」と振り返った。また、柱の背割れは埋めずに残した。佐藤室長は「木は生きていて収縮するもの。開いているのが本物の証し。そういう細部も含めて本物ならではの造り」と説明した。



















