〝マンション管理に光を当てる〟 この人に聞く 大和ライフネクスト マンションみらい価値研究所 久保依子所長
住宅新報 2019年12月10日 号 14面

久保所長
10月1日に総合研究所「マンションみらい価値研究所」を設立した大和ライフネクスト(東京都港区、石崎順子社長)。研究所設立はマンション管理会社として業界初の試み。12月2日からはウェブサイトでレポートの掲載も開始。同社は76年の創業以来、事例やデータを蓄積してきた。その知見を生かした調査研究を行い、マンションの価値創造に寄与していく方針だ。同研究所の久保依子所長(マンション事業本部事業推進部部長と兼務)に設立の背景、業界の課題や展望を聞いた。(古賀和之)
研究所ウェブサイトのURLはhttps://www.daiwalifenext.co.jp/miraikachiken/index.html
――設立の背景を教えてほしい。
「10年前から社内コンペなどで研究所をつくろうという話はあった。当社には従来から、自社のデータを世の中のために還元したり、データをもとに新しい事業を考えていくという企業風土があった。対外的には、14年に国土交通省のマンション管理適正化・再生推進事業に(当社の事業提案書が)採択され、16年からは連続で採択されている。有識者とのネットワークが既にあるので、それらを活用していきたい」
――社内に業界や世の中への危機感がある。
「世の中の流れを変えていかないと、管理会社は20年後にはなくなるのではないか、という危機感がある。点検や清掃の会社、マンション管理士などそれぞれに専門があり、コーディネート能力がないと管理会社の立ち位置はない。そうした中で、この業界への就職希望者は減少しており、現場の管理人も高齢化が進んでいる。研究所を立ち上げて情報を発信し、管理業界を魅力あるものにしたい。研究の中で問題点を深堀りすれば、代替手段としてのIT活用などに拍車が掛かるのではないか。また、研究成果を国が見て、政策の中に役立ててもらえれば、お客様や業界の選択肢は広がる」
――今後の活動方針は。
「レポートは毎月1本は必ず出していく。陣容(現在は所長含め3人)は今後、拡充していきたい。情報発信では特定のマンションのことは当然出せないが、自社にとって全体的にマイナス傾向にあるというようなデータも出さざるを得ない。そういうケースは想定している。マイナスのデータも出さないと『今後、どうすればいいか』という話にはつながらないので、一定のリスクは覚悟している。例えば、他の業界でトップランナーといわれる会社のデータ公開を見ると、その企業にとってのマイナス情報も少なからず入っている。どこか1社がまず言わないと、皆が情報を隠したままになり、結果として業界にとってマイナスになるのでは」
――研究所の最大の目標、レポートの方向性や視点を教えてほしい。
「最大の目標を一言でいうと、『この業界に光を当てる』ということになる。現在、レポートはウェブサイトに掲載しているだけなので、検索してもらわないといけない。まずは空き家やリゾートマンションなど話題になっているキーワードを重視したい。リゾートマンションは崩壊するとか、いろいろなことが言われているが、そもそもの定義から考えている」

















