居酒屋の詩 (67) 居酒屋で交わす話のあれこれは あるかなきかの秋の月影
住宅新報 2019年9月17日 号 13面
連載: 居酒屋の詩

東京メトロ丸ノ内線・新高円寺駅近くにある大幸住宅を訪ねた。林良和社長に50周年記念のインタビューをした帰り、青梅街道沿いで見つけた家庭料理の店「九州路」をのぞいてみた。九州大分県出身のママさんがやっている店とは後で判明する。カウンターの上には6種類ほどの大皿料理がのっていて、「お通し」はその中から3品が盛られてくる。隣で飲んでいた常連客がママさんの手料理をほめる。それを機に話が弾み、新高円寺駅周辺だけで3店舗を構える大幸住宅にも話が及ぶ。すると、ママさんが「大幸住宅の社長さんなら時々お見えになるわよ」――と。これで、先ほどまであったお店との距離がいっぺんに縮まる。ロックグラスと日本酒用のお猪口は、なんとも美しい「江戸きり子」だ。贅沢な大人の時間が漂ってくる。先に帰った上品な老紳士といった雰囲気の常連さんは、晩酌代わりに月に2~3回程度来ているというから、再会もありそうだ。

















