居酒屋の詩 (63) あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり
住宅新報 2019年8月20日 号 11面
連載: 居酒屋の詩

居酒屋の善し悪しは煎じ詰めれば、その場を満たしている気の質である。閃光のごとく一本気の魂が漂っているような店が、いい居酒屋である。JR総武線の東船橋駅南口から徒歩1分のイワシ料理専門店「ふなっ子」は、そうした雰囲気に満ちた居酒屋である。地元で40年近く営業している老舗だが(当初は駅前から少し離れた場所にあった)、地元の人たちが家族連れでやってくる気さくな店である。東京湾で獲れる新鮮なイワシを漁師から直接仕入れている。刺身は口の中でとろけるようにおいしいし、煮つけや「イワシのコロッケ」も絶妙。日本酒(地酒)も豊富にそろえている。
船橋にもまだまだ漁師の魂が残っていることを感じさせてくれる貴重な店である。
上掲は斎藤茂吉(『あらたま』)より。自分だけの道を求めて今日という一日を大事にしている人だけが、すばらしい場所にたどり着くことができる。「たまきはる」は命にかかる枕詞。

















