東京・四谷の「しんみち通り」は〝新橋〟ほどの迫力はないが、サラリーマンが多く行き交う飲み屋街である。そのやや奥、右手にある「太平山・総本店」に久しぶりに行った。近年、店舗の入れ替わりが多いこの通りにあって、今年で創業52年という老舗。店内にもその風格がある。秋田料理が専門で、きりたんぽ鍋、冬は子持ちハタハタの塩焼き、比内地鶏の焼き鳥などが名物。酒は太平山各種。
店の中央にでんと構えてあるのが囲炉裏を囲む四角い席(写真)。その角に一人で座るのが好きだ。この店を一人で堪能するには比較的空いている5時~6時台に行って、小一時間で帰るのがお勧め。奥の座敷席で宴会が始まると、ご多分にもれず騒々しい。日本のサラリーマンは数が多くなるほど騒ぐ傾向がある。開店間もない時間だと、ご近所の御隠居さんらしき客がカウンターで店主を相手に世間話をしながら呑んでいる。そんな光景がなぜか心が落ち着く。


















