60歳からの住宅ローン【リ・バース60】累計申請件数1万件突破

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定本紙連載「全国市街地の変遷」に見る地域活性化 バブル崩壊から続く模索 目指すは「コンパクトシティ」か 少子高齢化、速い変化にどう対応

住宅新報 2018年1月9日 号 20面

住まい・くらし
  • にぎわいを取り戻した高松市丸亀町商店街。バブル崩壊で危機感を持った地元住民が「100年後を見据えた再開発」に取り組んだ成果だ(17年5月23日号)

    1 / 2にぎわいを取り戻した高松市丸亀町商店街。バブル崩壊で危機感を持った地元住民が「100年後を見据えた再開発」に取り組んだ成果だ(17年5月23日号)

  • 新潟市古町地区の大和百貨店跡地。閉店から7年。ようやく組合施行の再開発が始まった(17年10月29日号)

    2 / 2新潟市古町地区の大和百貨店跡地。閉店から7年。ようやく組合施行の再開発が始まった(17年10月29日号)

 戦後の経済成長期に都市部へ労働人口を送り出して地方に過疎が生まれ、受け入れる側は過密都市の問題が発生した。高度成長と共にスーパーストアが生まれ、モータリゼーションの波が押し寄せる。その転機は50年前、東京五輪前後、高速鉄道網や道路網が整備されると、「均衡ある国土形成」の掛け声とは裏腹に過疎と過密の二極分化が進んだ。今日の社会的課題の遠因は元気な昭和の時代にありそうだ。

 大都市だけでなく地方でも郊外に大型ショッピングセンターが続々と生まれ大量消費社会が到来する一方で、駐車場整備のない駅前商店街はさびれ、車社会の地方都市で明暗が浮かび上がった。

シャッター商店街

 バブルが崩壊した90年代後半からはデフレ経済とリストラの嵐が吹き荒れ、消費不振が始まる。地元商店街は経営難と後継者難で失速し、シャッター街へと化した。その後も長いトンネルは続き、金融機関の再編成、大型商業店舗の撤退、企業の支店・営業所の統廃合など、明るくない雰囲気の中で21世紀を迎えた。

 地域にとって取り組まなければならないテーマは経済社会の活性化であり、にぎわいを取り戻すことだ。まず玄関口・駅前商店街を、続いて地元老舗が軒を連ねる昔からの中心市街地の復活である。

 それを契機に地元住民と経済界、市区町村、都道府県も含めた活性化への模索が始まる。大は人の流れを変えようとする、新たな都市計画の策定を伴う再開発事業。小は増加する空き店舗、シャッター街への出店支援策などまで幅広い。だが、効果ははかばかしいと言いきれない。

 併行して少子高齢化・人口減少社会のスピードが上がる。そこで一つの答え、方向性として示されたのが「コンパクトシティ」構想。医療・介護に公共・公益機能、住居・商業施設を交通利便な場所、駅前などに集中させるもので、特に地方都市では有力な問題解決策として浮上した。

観光振興は未知数

 全国で幾つかの都市がモデル、成功事例として挙げられたが、それが本格的な活性化、復活につながったかどうかとなると、判断は難しい。地域の活性化は気を緩めることのできない、正解のない取り組みだからである。中には計画倒れで終わった都市もあり、理論通りにはいかないのが現実だ。核店舗と期待した大手商業テナントなどの出店中止や撤退で計画変更を余儀なくされた事例も少なくない。

 また、地方が期待する観光による活性化は、ここ数年はたまたまインバウンドブームで、大都市だけでなく地方もにわかに盛り上がりを見せている。だが、受け入れ態勢の整備が必要だし、観光客や観光収入をどこまで伸ばせるか、いつまで継続できるかについては未知のままだ。過大な投資が重荷になった過去の事例もある。真似るのではない、地域独自の手法と適度の投資が求められる。

 本紙終面の連載「全国市街地の変遷」は今号で33回目。中国・四国から近畿、中部・北陸、関東地方を紹介。次号から東北・北海道、九州地方へと移る。地域を愛する不動研の不動産鑑定士の皆さんが冷静沈着な視点と発展への期待を込めたリポートである。

 これまで、香川県高松市では「100年後を見据えた再開発」で「賑わいを取り戻した丸亀町」、島根県松江市では「商店街空洞化への対応」、和歌山市では「JRと南海駅、市東西の表玄関」の再開発の状況、京都府舞鶴市では横浜に倣って「赤レンガのまち」へ変身する姿、名古屋市では「『来てもらえる街』を目指す大須商店」の取り組みを紹介。また、富山市では北陸新幹線開業で「発展する駅前地区とかつての中心地の対照的な姿」、新潟市では「空洞化から再興へ動く『古町地区』」、東京では「証券会社が転出した証券の街・日本橋兜町」、栃木県宇都宮市では「最大商店街の再興に住機能を導入」――などの対策事例にスポットを当ててきた。

即効薬はない

 いずれも社会経済の波にもまれ、長い時間をかけて実現してきた案件ばかりである。いくら政府が「地方創生」とはやし立てても、簡単にはいかない、即効薬はないことを地元関係者はよく知っている。各自治体が策定する活性化への基本計画と具体化プランも期間は最低でも5年から10年は必要である。財政難に加えて社会の変化のスピードが速いことで、的確で有効な活性化策が打ち出せない状況もある。バラ色の絵が画餅となっては失望が大きくなるだけにかじ取りは難しい。

 歴史・文化資源の活用による観光振興などという前に、各地域では空き地や空き家をどうするかという、早急に対応が求められる切迫した課題が横たわってる。もっと活性化につながる優先すべき日常的なテーマだが、これらは権利関係の調整などで解決に時間のかかるものが多い。そこに悩める地域の姿が浮かび上がる。そうした地域からの発信が一つひとつ実現していくことを期待したい。

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス