住宅の環境貢献考える 省エネなど事例共有も プレ協
住宅新報 2018年1月9日 号 12面

多くの熱意ある会員らが集った
プレハブ建築協会は17年12月18日、東京都文京区のすまい・るホール(住宅金融支援機構1階)で「2017環境シンポジウム」を開いた。同協会の進めている環境行動計画「エコアクション2020」の進ちょく状況を報告すると共に、識者による講演や会員企業の事例発表を通じて、省エネや環境に配慮した住まいと街づくりを考える催し。
開会に当たり、住宅部会の中村孝部会長代行は「今回で13回目の開催となり、人間でいえば中学生になったところ。16年に『エコアクション』のリニューアルを行ったこともあり、ワンステップ成長して皆様に報告できるレベルに達したと自負している」とあいさつ。環境に関わる世の中の動きは目まぐるしく、近年は東日本大震災直後の気運の高まりがトーンダウンしている点を危惧しながらも、世間に遅れないよう努力していくと方針を語った。
「一層の研究開発を」
続いて、早稲田大学創造理工学部建築学科の田辺新一教授が「2030年の住まいと暮らし―ハウスメーカーへの期待―」をテーマに講演を行った。まずエネルギー分野については、15年のパリ協定に基づいた日本のCO2排出量削減目標のため、住宅分野である「家庭部門」が30年までに13年比で39%と、大きな削減目標が掲げられていることを紹介。海外の住宅の事例やエネルギー消費事情を紹介しながら、ZEHの普及推進により、生活の質の向上と省エネを両立させることの重要性を改めて説いた。
また国内の住宅ストックのうち、80年基準かそれ未満の断熱性能の住宅が約4分の3に上る事実と共に、暑さや寒さ、湿度が居住者の健康に与えるリスクにも言及。人体の機能に関する最新の研究なども紐解きながら、十分な住宅性能が省エネと低炭素化をはじめ、超高齢化社会に対応した快適性や健康性に貢献することを科学的に説明した。
そのほか、IoTやAI、ビッグデータをはじめ、シェアリングエコノミーやEV自動車、スマートグリッド、サイバーセキュリティなど、国が提唱する「ソサエティ5.0」の要素の多くが住宅と関連してくる技術だと述べ、「『住む』ということに対し、一層の研究と技術開発が求められている」として、大学などの研究機関と住宅産業との連携に期待感を示した。
個別の取り組みを共有
後半では、会員企業が個別の取り組みの発表を行った。
旭化成ホームズは、自然地域を核として生態系を有機的につなぐネットワークとして同社が取り組む「『まちもり』計画」を紹介。
大和ハウス工業は「スマートコミュニティの取り組み」として、ZET(ネット・ゼロ・エネルギー・タウン)の「スマ・エコタウン晴美台」や電力を融通して効率的に使用する「セキュレア豊田柿本」などの事例を解説した。
ミサワホーム総合研究所は「パッシブクーリング」の効果検証として、ZEHと〝微気候デザイン〟を採用した「エムスマートシティ熊谷」の観測結果などを発表。
積水ハウスはドイツで開かれた「COP23」への参加報告を行い、「気候変動リスクと社会の変化を正しく認識し、世界が向かっている方向に沿って変革を加速することが必要」と述べた。

















