顧客ニーズを捉えるブランド戦略 (株)タカヤ (下) Uターン促すリノベーション
住宅新報 2016年6月28日 号 13面
「使命があるから、どこまでもゆける」――。岩手県盛岡市に本社を構えるタカヤは同県内だけでなく仙台、福島、東京、更には上海、ヤンゴン(ミャンマー)にも拠点を広げる躍動感にあふれた会社である。
その使命とは「変化する顧客ニーズを的確に捉える」こと。中古マンションの新リノベーションブランド「オレゴニア」は、そのクールで肩肘張らないポートランドスタイルが成功し、若者たちの心を捉え始めた。
ターゲット絞る
望月郁夫社長は言う。「これからの時代、顧客のニーズを的確に捉えるには、ターゲットをどこまでも絞って、とんがった商品をつくるしかない」「思いっきりとんがった商品を提供すると、それにぴったりハマる顧客だけでなく、『気に入ったが、ここまでとんがらなくてもいい』という層、更にその下の層というように幅広いニーズが見えてくる」。
「オレゴニア」は今年3月に発表した新ブランドだが、同社の住宅商品には「ナチュリエ」「ココチ」といった既存ブランドがいくつかある。いずれも、顧客が求めているものをトコトン追い求めて開発した商品だ。
戸建て注文住宅の「ナチュリエ」は無垢材による自然味があふれ、〝シンプルで開放的な空間〟が基本的コンセプト。更に顧客が希望すれば壁や棚などDIYする部分を多く残すこともできる。
コーポレートプランニング室の森居綾那さんは、こう話す。「ナチュリエが家づくりで大切にしていることは家族がその家で何をしたいのかということ。例えば、自分の好きなように手づくりしたものに囲まれて暮らしたいという人が増えています。自分で手を掛けたものには特別な愛着がわきますから」
東北活性化に貢献
「いい商品があれば、どこへでもゆくことができる」(望月社長)をモットーにしている同社だが、本拠地の盛岡や東北を愛する気持ちはもちろん強い。
だから「働き盛りの人にはどんどん地元に戻ってきてもらい、地元を盛り上げていきたい。オレゴニアが若い人たちに評価され、『こんなにスタイリッシュなマンション暮らしができるならUターンしてもいいか』と思ってもらえたらうれしい」と話すのはブランドリーダーでリフォーム事業部盛岡店長の李大偉氏。
政府も地方創生に力を入れているが、地方に若い人たちの共感を呼ぶ住まいを提供することは、住宅・不動産業界の重要な使命ではないだろうか。
李氏は「優れたリノベーションが地方創生に貢献できることを証明したい」と意欲を示す。「オレゴニア」のように現代人の感性に訴えるリノベーションは、〝ストックを価値あるものによみがえらせる〟という意味で、今の日本にとっては大切な技術である。
それを地方から情報発信することで、地方の価値を高めようという同社の取り組みにこれからも期待したい。 (本多信博)





















