スムストックという選択 独自の住宅流通スキーム確立
住宅新報 2016年1月5日 号 17面
新築重視からストック重視の住宅政策へと大きく舵が切られ、20年度までに中古住宅の流通量と共にリフォームの市場規模をそれぞれ倍増させることが政策の主軸に掲げられている。中古住宅の流通促進は住宅・不動産業界にとって大命題となっているものの、先行きには少子高齢社会の進展、空き家急増や資産デフレ脱却という諸問題も立ちはだかり、倍増計画に暗い影を落としている。更には、従来の枠組みに基づく不動産仲介やリフォームのビジネスモデルだけでは、生活スタイルの多様化が著しい近年の需要を今以上に喚起することにも限界がある。そうした中で消費者の支持を集め出したのが、大手住宅メーカー10社とその流通グループ各社で組織する優良ストック住宅推進協議会(会長・和田勇積水ハウス代表取締役会長)が取り組む「スムストック」だ。中古流通とリフォームの需要を同時に喚起できる「スムストック」の実績を振り返りつつ、今後の市場を展望する。
「スムストック」とは、会員社が供給した戸建て住宅で、履歴データがある、50年以上にわたる長期点検・補修制度が維持でき、新耐震基準を満たすことが3原則。専門スキルを持つ「スムストック住宅販売士」が建物価格を厳格に評価する独自査定を使って販売を担当する。独自査定においては、スケルトン6割(流通耐用年数50年)、インフィル4割(同15年)の割合で建物を評価。土地・建物の価格を分離表示するという3手法を導入しているのが特徴だ。
08年の事業開始以降、前期(14年7月~15年6月)まで右肩上がりで成約件数が増加、14年度は特に大きく伸長。年間成約数は1297件と1000件を超え、拡大成長期を迎えた(別表右下段)。3000人超を擁するスムストック住宅販売士が、建物評価の独自査定と物件の安全性について顧客の理解に努めていることも大きな要因だ。


















