「サ高住」第2ステージへ 学研ココファンホールディングス社長 小早川仁 ◇中 永く安心して住めるか
住宅新報 2015年7月14日 号 3面
前回は高齢者住宅業界を取り巻く状況について触れた。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度化から4年を経て高齢者住宅の数が増えていく中で、その質が問われ始めている。では、質の高いサ高住とはどういったものだろうか。
要望はハードではない
以前、高齢者を対象とした終の住処に関する意識調査を行ったことがある。そこで出た答えは、部屋の広さや娯楽施設といった設備や建物などハードへの要望ではなく、快適な住まい方などの「ソフト」に関するものだった。
多くの高齢者は将来にわたって安心して、住みなれた地域で暮らし続けたいと望んでいる。ともすれば事業者は豪華なインテリアや娯楽施設、フルコースの食事といった物を提供することに走りがちだ。しかし、高齢者が求めているのはそういった贅沢なサービスが第一ではなく、将来にわたって保障された住まいとサービスにより得られる安心だ。この〝真のニーズ〟に応えることが「質の高いサ高住」だと考える(もちろん前述した贅沢なサービスに対するニーズはあるが、それもしっかりとしたソフトが完備されていることが前提だ)。
サ高住の登録要件は比較的低く設定されている。例えば食事提供がない、夜間は無人で緊急時は外から人がやってくる、日中のスタッフは(巡回せず)ホテルのフロントのように常時カウンターに詰めて時々安否確認や生活相談の対応をする、という体制でも制度上の問題はない。しかし、このようなサ高住の登録要件を満たすだけでは、多くの高齢者が本当に安心できるとはいえない。現に現在登録されているサ高住の約5分の1が最低基準のみ満たしている物件だが、それらは空室が目立つ赤字物件となっている。
独自サービスを付加
そこで、当社のモデルではサ高住に自社運営の介護サービスを併設し要介護や認知症の方もサポートしている。ケアスタッフは24時間365日常駐し、緊急時の素早い対応や夜間のケアを可能にした。日々共に過ごすスタッフは、入居者の好みや健康状態を把握しやすくなり、より質の高いサービス提供に繋がっている。また、医療機関と連携し、介護・医療・看護が共に包括的にケアにあたり、要介護や病気療養が必要になっても長く安心して暮らすことができるように対応している。ほかにも安全面やプライバシーに配慮した設備とサービス対応、健康面に配慮した管理栄養士監修の食事、ご夫婦で入居したいという要望に応え2人部屋も用意している。
また、経済面の安心として家賃は周辺地域の一般賃貸相場を基に設定しリーズナブルに抑える。こうした独自のサービスや体制を構築することで、将来にわたり安心して暮らすことができるサ高住となっている。
今後より一層他社との差別化という点が重要になってくる。前述の通り、多くの高齢者がよりよい住まい方を重視していることから、今後のサ高住は更にクオリティを高めていく必要がある。次回は、そんな新しい住まい方を提案するサ高住について触れたい。
こばやかわ・ひとし=90年、学習研究社入社。02年、社内ベンチャーで高齢者向け事業を企画し、04年、学研ココファンを設立。08年、学研ココファンホールディングスへの持ち株会社移行に伴い、代表取締役に就任。このほか、傘下の事業会社3社の代表取締役および14年12月より学研ホールディングス取締役を兼任。



















