進化する省エネ住宅 蓄電池付き 相次ぎ発売
住宅新報 2011年9月27日 号 21面
東日本大震災の影響で、節電や非常用電源確保への関心が高まる中、住宅メーカーは蓄電池付き住宅の開発を活発化している。太陽光パネルなど電気を作り出す「創エネ」に加えて「蓄エネ」にも力を注ぎ、住宅の省エネ化を進める。
住宅メーカー 大容量から手頃なものまで
大和ハウス工業はこのほど、太陽光発電システムと家庭用リチウムイオン蓄電池、独自開発のHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を搭載した省エネ住宅「スマ・エコ・オリジナル」を発売すると発表した。旧省エネ基準の住宅と比べて、エネルギー使用量を78%削減できるという。発売日は10月1日。
蓄電池の容量は2.5キロワット時で、同社が出資しているエリーパワー社製。建物内に設置する。
蓄電池、HEMS、太陽光発電システム(3.5キロワット)の合計費用は約400万円。12年3月までの期間に、300台を販売する計画だ。普及させていくにはコストの問題も大きい。価格の考え方として「コストダウンを進め、10年で償却できるようにしていきたい」(同社)という。
積水ハウスは8月、太陽電池、燃料電池、蓄電池を組み合わせた住宅「グリーンファーストハイブリッド」を発売した。日中の電力消費はできるだけ燃料電池からの発電でまかない、太陽電池による売電量を増やす。電力消費の多い夕方から夜は、太陽電池は発電しないため、蓄電池からの電力供給で購入電力を減らす。当然蓄電池は大容量が必要で8.96キロワット時を用意した。
一般住宅と比べて年間光熱費を26万円削減できるという。
機器の価格は、太陽電池が1キロワット当たり44.8万円、燃料電池が240万円、蓄電池が200万円。3カ月間で150棟を販売する計画だ。
三菱地所ホームは来春発表予定のスマートハウスを見据え、東京・赤坂のモデルハウスで、リチウムイオン蓄電池の実証実験を始めた。NEC製の家庭用蓄電システム(容量6キロワット時)を設置し、戸建て住宅での効果的な利用方法を検証していく。
一方、手の届きやすい価格で、蓄電池付き住宅を供給する動きも出ている。東急ホームズは8月末、神奈川県横浜市の分譲地内に「環境型新コンセプト住宅」を建設した。太陽光発電パネル(5.5キロワット)を搭載したほか、蓄電池は停電時対応として0.4キキロワット時のものを設置。「実需型を念頭に置き、すぐに顧客に提供できるようにサイズや価格を考えた」という。間取り面では、風・太陽の光などを上手く活用する設計を取り入れた。同社初のスマートハウスと位置づけ、一般ユーザーに公開し、提案していく。参考価格(1坪当たり)は標準仕様が55万2000円、オプション仕様が67万3000円。同社の従来商品を同レベルという。
また、アキュラホームは9月17日、埼玉県内2カ所に、太陽光発電システムと蓄電システムを搭載したモデル棟をオープンした。来場者には、随時蓄電システムの効果を体験してもらう。蓄電池の容量は2.07キロワット時。停電時には自動的に供給電力を蓄電池に切り替え、あらかじめ設定しておいた家電製品を継続して使用できる。
同社が主宰する工務店ネットワーク、ジャーブネットでも9月9日から、太陽光とガスの2つの発電システムに蓄電池を組み合わせた省エネ住宅を発売した。価格は99.36平米で1670万円から。ネットワークのスケールメリットを生かし、資材の共同仕入れなどで価格を抑えた。

















