今週の糸口 中古住宅・リフォーム市場拡大へ 団体認定の新資格制度に期待
住宅新報 2013年4月2日 号 12面
連載: 今週の糸口
4月から一般社団法人に移行した日本木造住宅産業協会が「木住協リフォーム診断員」という登録制度を始める(別掲記事参照)。
同協会が実施する講習を受講し、考査に合格した者で、消費者が安心してリフォームの相談ができる人材として登録される。
木住協が登録制度
その主な守備範囲は、木住協が作成した「調査・診断の手引き」に基づいて、リフォーム前の建物調査や消費者の要望確認を適切に行い、リフォームの計画・工事に必要な情報を収集・提供することである。
リフォームは、新築住宅を買うのとは異なる様々な種類の不安が付きまとう。建物の構造、設備機器、耐震性などハード面だけでも相当な知識がなければ務まらない。
そのうえに、リフォーム瑕疵保険への加入方法、リフォームローン、国の減税制度、自治体の耐震診断補助制度などについても、ある程度精通している必要がある。
消費者がリフォームを依頼する業者を選ぶ際、こうした信頼できる専門家がいる業者かどうかは、大きな判断材料となるだろう。早ければ6月頃から、同協会のホームページで、リフォーム診断員が在籍している全国の木住協会員会社を検索することができるようになる。
全宅連が従事者研修
一方、全国宅地建物取引業協会連合会は4月から、新しい研修・資格制度として、「不動産キャリアサポート研修制度」を始める(5面記事参照)。
全国の不動産業従事者の資質向上を目指す。不動産取引の実務に関する基礎講座を学習し、修了試験に合格すると、「消費者への適切な情報提供に資する者」として全宅連が認定することになる。
不動産業従事者が持つ公的資格としては、宅地建物取引主任者が最も知られているが、これは契約に先立ち為される重要事項説明を行う者が取得していなければならない資格である。
事業所ごとに従業員5人に1人の取得が義務付けられている。逆にいうと、5人のうち4人までは何の資格も持たなくても、営業に従事できる。つまり、営業マン個々の能力にはかなりのバラツキがある。そのことが、消費者にとっては特に中小宅建業者の敷居をまたぎにくくしていると言えるのではないか。
人材育成が鍵に
国土交通省は昨年3月、「中古住宅・リフォームトータルプラン」を策定して、中古住宅流通市場の拡大に向けた施策を推進中である。その重要な施策の一つに、中古流通市場に係わる人材の資質向上がある。リフォームも中古住宅の購入も、消費者の決断を最終的に促すものは、営業マンに対する信頼である。
全宅連の不動産キャリアパーソン講座には、従業者としての大切な心構えとして、「倫理・コンプライアンス」などの学習も行われる。
業界団体による営業マンの資質と能力を認定する制度が、中古流通市場とリフォーム市場を担う分野で同時にスタートしたことになる。今年が中古市場活性化に向けた業界の変革の年になることを期待したい。 (本多 信博)

















