高齢者住宅推進機構シンポジウム 「地域包括ケアは必然」 一橋大学の猪飼准教授が講演
住宅新報 2012年7月3日 号 10面

ハウスメーカーや住宅設備、医療、介護事業者などをメンバーとする高齢者住宅推進機構は6月29日、東京都文京区でシンポジウムを開いた。第1部では、「病院の世紀の理論」の著者である一橋大学大学院社会学研究科の猪飼周平准教授が「病院の世紀から地域包括ケアの時代へ」と題して講演した。現在構築が急がれている地域包括ケアについて、歴史的分析をベースにその必然性を説明した。
まず、100年単位のように長期的なものの考え方をすると、通常は難題と思われることも解決の可能性が広がる点を指摘。そのうえで、「今、ヘルスケアは1世紀ぶりの変化の時期に差し掛かっている。20世紀のケアは、病気を取り除くことを目標とした『医学モデル』だった。これからはQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の改善に目標を置く『生活モデル』だ。そのモデルに基づくケアを追求すると、必然的に地域包括ケアに移行する」と述べた。
その背景を次のように説明した。「ケアに必要な情報を生み出す場所は、20世紀(医学モデル)は検査や診断をもとにするため病院だった。一方、QOL向上を目標とした場合(生活モデル)、生活の質に関わる情報は当人のまわりで発生する。しかも、生活ニーズが多様化している。それに対応するにはサービス提供側も多様である必要がある。そう考えると最も有望な資源は地域社会だ。ケアの重心が在宅の方に引っ張られることになる」

















