ひと 安全でおいしい水を 貯水槽水道のランキング表示制度を推進する麻布大学教授 早川 哲夫さん
住宅新報 2011年11月8日 号 2面
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全国給水衛生検査協会(奥村明雄会長)が9月30日、京都市内で実施した「貯水槽水道の適切な管理に関するシンポジウム」。集合住宅における貯水槽が抱える問題を議論したものだが、そこで「貯水槽水道の管理とランキング表示制度の必要性」を訴えた。
「規制緩和の時代。マンションなど貯水槽水道を使う集合住宅で、安全でおいしい水を確保するにはこの表示制度の普及しかない、唯一の解決策と思っています。優良施設にSマークを与えることで管理者の意識が高まるし、住宅としての売り物にもなります。『うちのマンションは浄水器を使う必要はありません』と」
賃貸マンションの募集や中古物件を売る際のセールポイントの1つになり、「中古住宅流通にも貢献できる」という。管理がよければ、おいしくなった東京都の水も満喫できる。だが、現実は浄化槽水道の設置者、管理者、入居者共に維持管理の理解度や意識が低く、しかも手間と費用がかかるため十分な対応が行われているとは言えない。
ランキング表示制度は08年度からテストし、今年度から本格実施に踏み切った。ランキング評価は、「法定検査をクリアしている施設である」ことを大前提に、判定委員会が行う。具体的には、日常の管理態勢として「ノウハウを持った清掃業者、検査機関に業務を依頼し、問題点があればすぐに対応することが大事」だが、現実は安価な業者を使い、問題点の手当てもおろそかになるケースが多い。だから「制度の推進・普及に向けた取り組みがこれからの課題」という。
追い風も出てきた。3.11以降、貯水槽水道が大震災などの緊急時に役立つ施設として見直されている。それだけに「管理はますます大事」になってきたほか、「緊急時使用のための新たな貯水槽水道があってもいい」と展開は広がる。
厚生省に入り、「貯水槽からネズミの死骸が出て社会問題化した」とき以来、この問題に取り組む。WHO勤務を経て、00年に麻布大学教授に転身、生命・環境科学部で環境行政学を教える。漫才の爆笑問題のテレビで貯水槽水道の問題も解説。英仏などの1700年代の古書収集が趣味。京大卒、62歳。 (柄澤 浩)

















