大和ハウス工業は5月31日、日本貨物鉄道と共同開発していた、北海道最大の貨物駅「札幌貨物ターミナル駅」構内にマルチテナント型物流施設「DPL札幌レールゲート」(北海道札幌市)を竣工した。鉄道コンテナを利用することで全国各地への輸送が可能であることから、貨物輸送量当たりのCO2排出量がトラックの約13分の1である鉄道を利用することで、環境負荷の低減を可能とした。
道央自動車道「大谷地IC」から約1キロのJR貨物「札幌貨物ターミナル駅」構内の敷地5万348平方メートルに、札幌ドーム1・6個分に相当する延べ8万6276平方メートルの3階建てを建設した。
JR札幌駅から10キロ圏内であることから北海道全域へのアクセスが容易であるほか、JR千歳線平和駅から約2キロ、地下鉄東西線南郷18丁目駅から約2キロに立地し、職住近接の就労環境を確保した。
札幌貨物ターミナル駅との車両専用連絡通路を設けたほか、雨や雪など天候の影響を受けずに荷物の積み下ろしや通行ができるよう、1・2階に中車路や屋内スロープ、屋内トラックバースを設けるなど、施設内の作業効率に配慮した。
また、両社のほか大和物流、フレームワークス、Hacobuの5社で、「協働プロジェクト」を開始する。自動車運転業務に対する年間の時間外労働時間制限に伴う「2024年問題」をはじめ、カーボンニュートラルやSDGsの実現といった、課題の解決に向け、全国の持続可能な物流網の構築を目指す。
なお、JR貨物によるマルチテナント型物流施設は、20年3月に東京貨物ターミナル駅構内に竣工した「東京都レールゲートWEST」を皮切りに、今回の開発が第3弾となる。今年7月には「東京都レールゲートEAST」が竣工を控えている。
