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緑化管理で新システム 遠隔地でも生育状況確認

 会員連携による新しい緑化ビジネスの研究開発に取り組む、緑のまちづくり支援機構(栗生明会長)はこのほど、インターネットを使った緑化メンテナンス支援システムを発表した。遠隔地からでも、現地に設置したカメラで生育状況を確認し、状況に応じて水やりできる。管理作業の効率化やコスト削減につながるという。
 開発した会員会社アースコンシャス(徳島市)を通じて、5月2日から販売を始める。主に屋上・壁面緑化管理会社向けに売り込む。
 今回開発した「アーススマートシステム」(特許出願中)は、ネットワークカメラと灌水電磁弁、実際に水が流れているかを確認するフロースイッチ、全体のコントロール装置――で構成する。パソコンやスマートフォンを使って映像で事前に状況を把握したり、灌水スケジュールを設定できる。
 これまで緑化管理の現場では、リアルタイムに生育状況が分からないので枯損や病気への対応が遅れることがあった。また、必要な機材類や作業人員数の予測が難しく、無駄が発生することも課題だった。
 標準システム価格は56万8000円で、そのほかウェブシステム利用料として月額2300円が必要となる。初年度1000台の販売を見込む。また、オプションとして流量計と土壌水分センサーも用意している。
 今後は、個人住宅の庭やベランダ緑化向けに、価格を抑えた簡易タイプを開発していく。
 今回のシステムを開発したアースコンシャスは、建築緑化資材メーカーで緑地管理なども手掛ける会社。同じく会員である灌水装置関連メーカーのイーエス・ウォーターネット(東京都多摩市)と、ネットワークを利用した機器コントロール装置の開発・販売事業のグラモ(埼玉県新座市)が開発協力した。