2012宅地建物取引主任者受験セミナー (1)
連載: 宅地建物取引主任者受験セミナー
【問題1-1】
代理に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)未成年者でも代理人となることができる。
(2)委任による代理人は、自由に復代理人を選任することができる。
(3)代理権は、代理人の死亡によって消滅する。
(4)代理権の消滅は、それを過失なくして知らない第三者に対して主張することができない。
【問題1-2】
消滅時効は、権利を行使することを得る時から進行するが、AがBに土地を売った場合の代金請求権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)代金支払期日を定めたときは、Aの代金支払請求権の消滅時効は、その期日から進行する。
(2)工事中の地下鉄が完成したら代金を支払うこととした場合、Aが地下鉄の完成を知った日から、Aの代金請求権の消滅時効は進行する。
(3)Aが長期入院した場合でも、それにもかかわらずAの代金請求権の消滅時効は進行する。
(4)Aの代金請求権について消滅時効の中断があった場合は、中断の事由が終了した時から更に消滅時効の進行が始まる。
【問題1-3】
Aは、A所有の土地をBに売って移転登記をし、Bはさらに、その土地をCに売って移転登記をした。次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)Aが差押えを免れるため、Bと共謀してBに登記を移したとき、Aは常にCに対し、自分が土地の所有者であると主張することができる。
(2)AがBにだまされて当該土地を売ったとき、Aは常にCに対し、自分が土地の所有者であると主張することができる。
(3)AがBの代金の不払いを理由に売買契約を解除したとき、Aは常にCに対し、自分が土地の所有者であると主張することができる。ただし、解除はB、C間の売買の後に行われたものとする。
(4)AがBに売った際に、未成年であることを理由に売買契約を取り消したとき、Aは常にCに対し、自分が土地の所有者であると主張することができる。ただし、取消しは、B、C間の売買の後に行われたものとする。
【問題1-4】
物権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)物権は、法律で定めるもの以外でも、当事者が自由に創設できる。
(2)登記には公信力がある。
(3)動産に関する物権の変動の対抗要件は、引渡しである。
(4)不動産に関する物権の変動について、民法は登記の移転を要件としている。
【問題1-5】
民法の共有に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)各共有者は、その持分の範囲内であれば、単独で共有物に変更を加えることができる。
(2)各共有者は、共有物の全部につき、その持分に応じた使用をすることができる。
(3)各共有者は、単独で共有物の保存行為をすることができる。
(4)共有者の1人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に属する。
【問題1-1】 正 解 (2)
(1)は正しい。
代理人は、意思能力があればよく、制限行為能力者を代理人にしてもよい(民法102条)。代理行為による効果は本人に帰属するので、制限行為能力者を代理人にしたことにより不利益が発生したとしても、選任した本人が責任を負うことになるからである。
(2)は誤りで、正解。
委任などにより代理権を与えられた任意代理人は、本人の許諾がある場合ややむを得ない事由がある場合を除いて、原則として、復代理人を選任することはできない。同法104条。
(3)は正しい。
代理権は、代理人の死亡、破産手続開始の決定、後見開始の審判を受けたときは消滅する。この他、本人が死亡した場合も同様(同法111条1項2号)。更に、本人の破産手続開始の決定は任意代理の場合に消滅原因となる。同条2項、653条。
(4)は正しい。
代理権が消滅したことを過失なくして知らない第三者については表見代理が成立するので、本人は代理権の消滅を主張することはできない。同法112条。
【問題1-2】 正 解 (2)
(1)は正しい。
消滅時効は、権利が行使できるようになった時から進行を開始する(民法166条1項)ので、代金支払期日を定めたときは、その期日から消滅時効が進行する。
(2)は誤りで、正解。
工事中の地下鉄が完成したら代金を支払うという本肢の内容は、不確定期限が付いている債権である。この場合は、期限が到来したときから権利を行使できるので、それを債権者が知らなくても、消滅時効の進行が開始される。即ち、本肢で時効の進行が開始するのは「工事中の地下鉄が完成した日」からとなる(大判昭12.9.17)。
(3)は正しい。
債権者が長期入院しても、消滅時効の進行は停止しない。(4)は正しい。
債権者が履行の請求をするなどして、消滅時効の進行が中断された場合、その事由が終了した時から改めて消滅時効が進行する(同法157条1項)。
【問題1-3】 正 解 (4)
(1)は誤り。
本肢の事例は「通謀虚偽表示」であるが、これは善意の第三者に対抗できない(民法94条2項)ので、「常に」とあるのが誤りとなる。
(2)は誤り。
本肢の事例は「詐欺」であるが、これは善意の第三者には対抗できない(同法96条3項)ので、「常に」とあるのが誤りとなる。
(3)は誤り。
本肢の事例は「契約解除」であるが、解除の前に権利を取得した第三者は、善意・悪意に関係なく登記をしていれば、保護される(同法545条1項、大判大10.5.17)。従って、本肢の場合、AはCに対抗することはできない。(4)は正しく、正解。
本肢の事例は「制限行為能力者との取引」であるが、この場合、制限行為能力者を保護するため、取消し前の第三者に対抗することができる。従って、Aは常にCに対して所有権を主張できる。
【問題1-4】 正 解 (3)
(1)は誤り。
物権(所有権や地上権、抵当権など)は法律で定めるもののほか、創設することはできない(民法175条)。これを物権法定主義という。なお、現在は11種類ある。
(2)は誤り。
公信力とは、真実と異なった表示がされていても、そのことを信じて、取引をした人は保護されるという効力である。日本の民法は不動産登記に公信力を認めていない。(3)は正しく、正解。
物権変動の対抗要件は、不動産については登記(同法177条)、動産については引渡し(同法178条)である。なお、動産とは、物など、不動産(土地と建物などその定着物)以外のものをいう。
(4)は誤り。
物権変動は当事者の意思表示で発生する(同法176条)。
【問題1-5】 正 解 (1)
(1)は誤りで、正解。
共有物の変更は、他の共有者全員の同意がなければ行えない。民法251条。
(2)は正しい。
各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。同法249条。
(3)は正しい。
保存行為については、各共有者が単独で行うことができる(同法252条)。共有物の修繕などが保存行為の例である。
(4)は正しい。
共有者の1人がその持分を放棄したり、相続人なくして死亡したときは、その持分は他の共有者に帰属する。同法255条。
























