競売不動産取扱主任者 8月1日より申込受付開始 試験日2026年12月13日(日)

様々な不動産情報が盛り沢山!

プレミアム会員限定不動産証券化の現状と将来展望 有識者に聞く [第112回]

マンション・開発・経営

■ 投資市場は回復基調迅速な政策対応に一定の効果

(田辺)これまでのJ-リート市場の推移を振り返ってみたいと思います。J-リート市場は一昨年の金融危機までは、基本的には順調に成長してきました。

(横田氏)J-リート市場が創設されたのは、2001年9月10日ですが、その翌日に米国の同時多発テロ(9・11)が発生し、厳しい船出を余儀なくされました。 このときは、多くの方々が心配したのも事実ですが、その後は日本景気の底入れ・回復や世界的な資産運用ニーズの拡大などにも後押しされて、2007年前半までは、市場はまずは順調に成長してきたと言えるでしょう。

ただ、J-リート市場の成長を支えた要因の一つとして、様々な政策的対応、制度創設等の措置が採られたことも見逃すことはできません。全国銀行業界連合会の通達によって、リートの分配金や売却益が銀行の業務純益(銀行の実質的な収益力を示す指標)に含められるようになったことは、その後の地銀などの投資の増加に直結しましたし、リートの分配金に関わる源泉分離課税が引き下げられたこと(20%→10%)は、投資家に直接的なメリットを与えることとなりました。

機関投資家が有価証券投資をするときには、ベンチマークとしてあるいはインデックス運用を行う上で、何らかのインデックスがあることが望ましいのですが、東証が東証リート指数を創設したり、MSCIジャパンインデックス(モルガンスタンレーが作成している世界的なインデックス)にJ-リートの上位2社が採用されたことも、一定の効果をもたらしたものと思います。また、J-リートのファンド・オブ・ファンドへの組み入れ(ファンドがJ-リートを投資対象とすること)が認められたことは、投資家層の拡大に寄与しました。

(田辺)しかし、2008年秋の金融危機の影響を受け、東証リート指数は同年10月(704・46)には2007年5月(2612・98)のピークの30%以下にまで落ち込みました。

(横田氏)米国のサブプライム問題は、2007年春頃から徐々に世界的に拡大する気配があり、投資口価格もそれ以降は下落基調にありました。J-リートの投資家は、当初は個人と金融機関が多数を占めていたのですが、2006年後半位から外国人のシェアが高まってきていました。投資口価格の下落基調への転換には、サブプライム問題などによって外国人投資家の投資スタンスが変わったことが、大きく影響したのではないかと思います。

しかし、J-リート市場が危機的な状況に陥ったのは、リーマン・ショックによって金融危機が拡大し、世界的なクレジットクランチ(信用崩壊)が起きたからにほかなりません。個別のJ-リートの業況の善し悪しというよりも、金融市場に疑心暗鬼が渦巻く中で、金融機関が信用リスクに極めて敏感になったと言えるでしょう。 2009年春頃からは徐々に金融市場が落ち着きを取り戻し、日本経済の回復の兆しも見えてきたことから、J-リート市場も回復に向かいました。ただ、今回の金融危機において、J-リート市場が致命的な打撃を受けることがなかったのは、迅速な政策対応が次々に講じられ、それが一定の効果を挙げたことも大きな要因になっていると思います。

事業そのものに問題がないにもかかわらず資金調達難に陥ったリートに対して貸出を行う「不動産市場安定化ファンド」が官民の協力で設立されましたし、リートの投資口が銀行等保有株式取得機構の買取り対象に加えられました。また、リートの発行する投資法人債(株式会社の社債に相当)に投資している銀行が、それを適格担保として日銀に差し入れることにより、日銀から資金調達ができるようになりました。さらに、金融危機後の市場の再編を睨んで、REIT同士の合併制度も整備されたことも、大きな効果をもたらしました。(つづく)

この記事は、2010.06.29の住宅新報3面に掲載したものです。

キーワード

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス