不動産鑑定士レター 鑑定士の持続可能性と大学寄附講座 公的土地評価の担い手育成へ
住宅新報 2024年11月26日 号 3面
連載: 不動産鑑定士レター

「人手不足」が日本経済の先行きを危うくする昨今、三大国家資格の一角を担う不動産鑑定士も受験者数の低迷が続いている。試験制度変更当初(平成18年度)は4600人余りいた短答式受験者数も、近年は1700人前後。団塊の世代が後期高齢者になったことで、わが連合会の会員数も最近は自然減となっている。各県の不動産鑑定士協会(以下「士協会」という)の会員数も大半が10年前と比較して減少。このままでは公的土地評価(地価公示、都道府県地価調査、国税標準地評価、固定資産税標準宅地評価)の担い手も危うくなる。
このような中、近年「寄附講座」を行う大学が現れた。不動産鑑定士協会や大学の校友会が主体となって、大学生に不動産教育を施している。昨年、連合会が情報交換会を行った際に調べたところ、6士協会と3校友会により計11大学で実施している。早稲田大、立教大、法政大、関西大、関西学院大といった東西の雄たる私立大学のほか、滋賀大、熊本大といった国立大学でも行われ、単位も付与している。受講者数は、コロナ禍前は100人超、昨年段階で51~100人の大学が半数以上と、比較的人気を博している。
私も早稲田大でかれこれ5年ほど教鞭を執ってきた。早稲田は校友会(不動産鑑定士稲門会)が主催し、2019年の開始当初は16コマを16人で分担して、鑑定理論のほか、実務や不動産市場や統計分析など、大学生にも分かりやすく、かつ興味を持ってもらえるよう講義した。ところが、翌年からコロナ禍となり、講義動画をオンデマンドで流し、小テストもウェブ上にアップするなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)で苦労することもあったが、22年より対面に戻った。講義終了後に「不動産鑑定士を目指しています」や、「短答に受かって論文の勉強をしています」などと話してくる学生がいたり、また、この講義を受けて鑑定業界に入って来た者もいる。























