廣田 信子の紙上ブログ No.402 マンション管理応援歌 地震はいつでも起こるものという心構えで
住宅新報 2024年2月6日 号 5面

能登半島地震では、輪島市の倒壊ビルが映像に映し出される度に胸が締め付けられる気がします。たぶん、旧旧耐震基準(71年以前)のビルで、基礎からはがれるように倒れています。元旦だったのでビルには人がいなかったのかもしれませんが、その隣にあった民家の住人が犠牲になったと言います。
低確率の地域でも
地震調査研究推進本部の「全国地震予想地図2020年版」では、能登半島は地震リスクが小さいとされていたことにショックを受けました。石川県は、2020年から30年間に震度6弱以上の揺れが起きる確率は「0.1%~3%未満」とされ、企業誘致のPRに利用されていたと言います。16年の熊本地震、18年の北海道地震でも同様に予測地図を企業PRに使い、地震後にHPから削除していたと言います。国は「予測地図は確率の高低は示しているが、低い地域に『安全宣言』を出しているわけではない」「全国どこでも地震が起きる可能性があることも同時に伝えている」と言います。でも予測地図で、確率で色分けしているのですから、低確率地域が安全だと取るのは無理のないことです。
現在の地震学では正確な発生予想は不可能です。そんな中、多額の税金を投入し、国が大地震の発生確率を予測しているのです。政府の地震調査研究推進本部では現在、全国の144の主要活断層や6地域の海溝型地震について「長期評価」を出しています。その地震の規模と「〇年以内に〇%」といった発生確率を予測するもので、マグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震が今後30年以内に起こる確率は70~80%という数字が有名です。
しかし、1978年以後、日本で発生した地震とハザードマップとを比較したところ、阪神・淡路、東日本、熊本、能登など多くの震災が、危険が低いとされる地域で起こっていることが分かります。本当に「なぜだ」といつも思います。
でも、予想ができないことではあっても、誰もが準備をすることには意味があります。自分の住んでいる地域で大地震があることを想定し、できる準備をしておくことだと思います。そう割り切ることで、少し元気が出ました。旧旧耐震基準の危ない建物やマンションはまだまだ見掛けます。それをどうするのかという問題を考えていくことは不可欠だと改めて思いました。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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