紙上ブログ不動産屋の独り言645 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 早期に発見された孤独死 自社の管理住戸ではなかったが
住宅新報 2022年3月22日 号 6面
私の日々の就寝時間は早い。だいたいが21時ごろである。その日もいつも通り「もう寝ようかな」と寝室に向かったところで携帯が鳴った。登録していない番号からだった。「すみません、私は○○アパートの101号室のMさんの友人なのですが、数日前から連絡が取れなくなっています。部屋に行ってみると電気はついているようですが、チャイムを押しても応答がありません。もしかして室内で倒れているのかも。心配なので合鍵をお持ちなら様子を見ていただけませんか」と女性の声。私は「たぶん亡くなっているな」と確信した。真夏ではないし、連絡が取れないのは数日。第一当社には合鍵がない。家主に連絡して翌朝一番でアパートまで鍵を持ってきてもらうことにして、警察にも連絡した。
2つの会社が管理
そのアパートにはややこしい話があって、6部屋のうち4部屋を当社が管理していて2部屋は別の業者が管理している。たまたま、101号室は別の業者が管理していたのだが、その女性は当社に連絡してきた。他の入居者に管理会社を聞いたらしい。会社の固定電話に掛ければ私の携帯に転送されるからそれは仕方ない。私がその別の管理会社にも連絡をすると「預かっている古い鍵で開くかもしれませんので持参します」とのことで当日持ってきてくれて、それで開いた。警察官に先に入ってもらうと、やはり亡くなっていたが、布団の中だったからさほど苦しまずに亡くなったみたい。警察官の話だと、「心不全かなんかでしょう」とのこと。近所の人たちも外に出てきて、「俺は一昨日くらいにMさんが自転車で出掛けるのを見たよ」と証言していて、検死はこれからだが亡くなって2日くらいと思われた。病死だし、死臭が立ち込めることもなく、事故物件になることは免れた。























