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スタンダード会員限定廣田 信子の紙上ブログ No.276 マンション管理応援歌 夜間パトロールがコロナ禍の合意形成を助ける

住宅新報 2021年1月26日 号 5面

連載: 廣田信子の紙上ブログ マンション管理応援歌

マンション・開発・経営
廣田信子氏

廣田信子氏

 緊急事態宣言発令で、重要な修繕工事の説明会の予定があった大型マンションは頭を抱えています。ところが、先日伺った管理組合では、人が多数集まる説明会をしなくても、多くの人に、計画の内容を理解してもらう努力を1年近く続け、合意形成が難しい修繕工事に9割の賛成を得るところまでこぎ着けています。

 ポイントは2つ。1つは、徹底した情報公開です。課題を整理し、現状と提案内容を分かりやすく説明する資料をつくり何度も広報しています。そして、もう1つは、草の根の意見交換です。ここでは、全住民が夜間パトロールに参加する文化が根付いています。約10棟、1棟が平均80戸の団地で、夜間パトロールは、棟が順番に1カ月を担当し、各棟委員が自主的に、回数や実施日、コース等を決めています。平均的には、週1回の実施で、なるべく全員が1回は参加するようにしていて約8割の住民が参加しています。

歩きながら情報交換

 この夜間パトロールには(1)防火・防犯、(2)住民間の情報交換、(3)住民間の親睦、という3つの目的があります。みんなで回ることで、普段目にしないゴミの出し方や自転車置き場の整理、違法駐車等の状況を共有できます。マナー違反や犯罪の抑止効果も大きいです。歩きながらのおしゃべりで、マンション内や地域の情報を得られます。また、入居間もない方もそこで顔見知りになれます。終了後は、集会室で30分程度の懇談会。今年は、この懇談会に修繕委員の人が参加し、修繕計画について、広報の内容を更に詳しく説明し、なんでも質問を受け、意見を聞くということを繰り返しました。それによって、1年を通すと、全体の8割以上の方が説明を聞き、意見を述べたことになります。

 築40年でも立地がよく、管理もコミュニティもしっかりしているので、若い子育て世代の入居が多く、子供の数も増えています。その若い世代も年1回、パトロールに参加することぐらいは別に嫌がらないで参加しているのです。そうしていると、例えば、上階の騒音で困った場合等に、パトロールのときに棟委員の人に相談に乗ってもらえるので心強くもあります。

 この夜間パトロールの文化が、コロナ禍の中での草の根の合意形成に非常に役立ったのです。

(マンション総合コンサルティング代表取締役)

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