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プレミアム会員限定トータルブレインのマンション最前線 ディベロッパーのホテル事業分析 中堅はファミリー向け「アパートメントタイプ」加速

住宅新報 2019年10月29日 号 5面

連載: トータルブレインのマンション最前線

マンション・開発・経営

 マンションコンサルティングのトータルブレインはこのほど、「ディベロッパーが取り組むホテル開発事業研究」と題したレポートをまとめた。

 20年の東京五輪開催を契機とした政府の外国人旅行者の拡大策もあり、近年は都心や城東エリアなどではホテル用地の取得競争が激化。大手ディベロッパー(デベ)だけでなく、中堅もインバウンド需要を見込んで積極的にホテル事業に参入している。今回のレポートでは、デベが新たに取り組むホテル開発事業を分析した。大手は従来型の1、2名の宿泊利用を見込んだタイプで事業を拡大し、一方で中堅は新ジャンルであるファミリー向けのアパートメントホテルに注力している傾向がうかがえた。

 まず、大手デベ(三井不動産、三菱地所、住友不動産、野村不動産、東急不動産)の動向について。各社とも概ね(1)フルサービスのシティホテル・ラグジュアリーホテルと、(2)宿泊特化型のビジネスホテルの2種類を用意。ビジネスホテルに関しては、ややグレードの高いものが多いという。

 各社とも近年、ホテル事業を拡大しており、例えば、三井不は84年の三井ガーデンホテル大阪淀屋橋を皮切りに、現在全国で26ホテル・6703室を展開しており、20年度には1万室を達成する予定。80年代からロイヤルパークブランドでスタートしている三菱地所は、現在全国で10ホテル・2688室を展開。22年度には17ホテル・約4100室体制となる予定だ。住友不は97年に第1号を開業し、現在ハイグレードクラスを3棟・859室、スタンダードクラスを12棟・1673室展開。20年度には16ホテル・約3300室体制となる。

滞在日数は長期化

 次に中堅デベの動向について。中堅デベは、1部屋に家族やグループで宿泊できるアパートメントホテルの開発が目立つ。その背景として同レポートでは、訪日外国人旅行者は増加しているが、特にアジア圏からの旅行者が急増。同行者の変化を見ても、約7割がファミリーや友人同士といったグループで来日し、10日前後の滞在期間で各地をまわっているという。日本にはこれまでそうした4~6名が同室に宿泊できるのは旅館が中心で、ホテルは少なかった。そこで中堅デベは需要が急激に高まっているアパートメントホテルの開発に力を入れている。

 例えば、コスモスイニシアは「アパートメントホテル ミマル」のブランド名で現在11ホテル・511室を展開。4人以上のグループ向け。部屋貸しのため一人当たりの宿泊費を抑える(4人ならば1人当たり5000~7000円程度)ことができる。「暮らすように滞在する」をコンセプトとし、客室内にキッチンや調理器具、食器を常備し、共用部にはランドリールームを備える。稼働は順調。サンケイビルは「グリッズ」のブランド名でゲストハウス型を展開。2段ベッドを並べた相部屋で、1人旅からグループ旅、ビジネス利用など多様な宿泊ニーズに対応している。25年度までに10棟体制を計画している。また、ワールドレジデンシャルは既存ビルのコンバージョン方式で取り組んでおり、安田不動産やフージャースホールディングス、トーセイなども積極的にホテル事業に取り組んでいる。

 なお、中堅デベの特徴として、開発したホテルは一定期間保有した後、投資家やファンドなどに売却するパターンが多いという。

収益性高い事業に

 同レポートでは最後に、中堅デベのホテル事業について「収益物件開発メニューの1つという面が強いが、需要と供給の面から見ても収益性の高い事業になるのではないか」とし、更に、「アパートメントホテルは日本ではまだ認知度が低く、稼働面で苦戦するケースも見られる。商品の造り込みや運営に関して工夫・改善の余地も多いが、今後の日本のホテルの新しい形として拡大・定着していくだろう」と述べている。

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