友人がステキな新聞のエッセーを紹介してくれました。「ITソリューションで業務の効率化」というような、個々の顔が見えにくい話が続いた後なので、そのエッセーが心に染み入りました。
表題は「一流の清掃人」。投稿者は、戸建てからマンションに移り住んで2年。マンション生活は快適だけれど、共用スペースの汚れや、いい加減なゴミ出しが気になって、もやもや。そんな中、清掃担当者が替わりSさんがやって来ました。Sさんの仕事ぶりは見事で、すべての床のモップ掛けはもちろん、手すり、雨水排水溝も徹底して拭き掃除をするのです。ゴミ集積所のボックス内のゴミをいつもきれいに整理し、ゴミが運ばれた後は、ボックス内も丁寧に拭き掃除をします。「清掃とは、こうやるのだよ」というお手本のような仕事ぶりです。それを見て、「いつもありがとうございます」と声をかけると、「玄関のガラス扉が思うようにきれいにならなくて…」と、素人には何の問題もないようなガラスの磨き具合にも満足しないで清掃を極めようとしているのです。
人の心を動かすものは
そして、不思議なことに、Sさんが来るようになってから、何も言わないのに、住人のゴミ出しマナーがよくなってきたのです。きれいに磨きあげられた空間には、住民がいい加減なゴミ出しができなくなる何か不思議な空気があるのでしょうね。きっと、壁にべたべた貼られた「警告文」より、人の心を動かすのだと思います。
Sさんは、自分の仕事に責任と誇りを持った天下一品、一流の清掃人。「いつも快適な暮らしをさせていただいてありがとう」と、投稿者の感謝の気持ちが書かれています。自分の目の前の仕事に全力で取り組むSさんの姿は神々しく感じます。同時に、Sさんの働きぶりに気が付いて、感謝を言葉にしている住民の方もステキです。
マンションでの快適な暮らしはSさんのような方に支えられていることを忘れてはならないと改めて思いました。そして、管理会社もきちんとSさんのような方のことを見ていて、評価してほしいと思うのです。自分自身の修行と思っているSさんは、特別、評価など望んでいないでしょうが、凡人の私としては、Sさんに続く人の励みになるように…と思ってしまいます。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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