トータルブレインのマンション最前線 19年首都圏市場 (下) 後半戦以降の課題 供給戸数伸びず、前年並みに
住宅新報 2019年8月27日 号 5面
マンションコンサルティングのトータルブレインのレポート「19年首都圏マンション市場の前半戦総括および後半戦以降の課題と展望」の2回目。
同レポートによると、19年前半の首都圏マンション市場は、販売価格の高騰を背景に顧客が様子見をしており、供給戸数は前年同期よりも減少した。後半の市場については、「都内・郊外共に販売材料は十分にあるものの、売れ行きがスローペースであるため、供給ペースが上がらず販売戸数が伸びない」と予想する。オリンピック選手村の「ハルミフラッグ」のほか、「ブランズタワー豊洲」「シロカネザスカイ」といった1000戸規模の都心大型物件、郊外でも300~500戸クラスの大型物件が発売予定としてラインアップされているが、供給戸数は伸びない可能性は高いという。年間の供給戸数は前年並みの3万5000~3万7000戸程度と予想する。
更に、同レポートでは、今後の市場について、いくつかのポイントを挙げている。
例えば、「再び郊外化の流れが静かに始まった」こと。都心はもちろん、城東・城北エリアでもマンション用地の高騰で、ディベロッパーは仕入れに苦戦。そのため売り上げ戸数目標を達成するために郊外物件を検討せざるを得ず、大手・準大手でも郊外での仕入れを再開するところが出てきているという。同レポートでは郊外物件の必須4条件として、(1)立地特色(沿線力・駅力・駅近・商業施設隣接など)、(2)価格競争力(対建売戸建て)、(3)需給バランス、(4)戸数規模(100~200戸程度まで)を挙げている。
また、コンパクトマンションについて、「シングル向け1LDK特化型から多彩な商品構成にラインアップが変化」を挙げている。ファミリー向けに比べて高値供給(単価水準で10~20%程度)が可能であるため、ディベロッパーはここ数年、1LDK中心のコンパクトタイプで事業を推進してきた。ただ最近は、1プロジェクト当たりの集客が減少。そのため都内の好立地物件では様々な商品をラインアップし、シングルやDINKS、ファミリー、シニア、富裕層などの幅広い顧客層を取り込むようになっているという。
ハイグレード系商品、いわゆる億ションについても、「希少好立地限定で」と指摘している。億ション物件の売れ行きを見ると、特殊住戸(ルーフ付き)や上階・角部屋などの好立地のポジションから売れており、中途半端なポジションと価格帯の住戸が苦戦するケースが目立つ。同レポートでは、「ますます立地や住戸条件など希少価値ニーズが高まっており、億ション分譲のハードルがより高くなってきている」としている。
中古も郊外エリア厳しく
そのほか、中古マンションについては「利便性重視傾向が鮮明で、中古市場も郊外エリアは厳しい」と指摘。更に、「ディベロッパーはホテル開発や収益物件開発などポートフォリオの拡大が必要」「地価の二極化はますます進み、収益力の高い土地はまだまだ上昇していく」「好立地のマンション用地が不足しているため、再開発や建て替え、等価交換といったマンション用地創出の動きはますます強まる」「中小ディベロッパーへの融資が締まってきているため、プロジェクト資金確保に早めの対応策が必要」「利便性重視、都心一極集中の流れの中で、建売戸建ても郊外から都心の好立地にシフト」などを今後のポイントとして挙げている。





















