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住宅新報 2018年4月10日 号 8面

連載: 2018宅地建物取引士受験セミナー

資格・実務

【問題2-6】

 相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、別段の慣習はないものとする。

(1)A所有の甲地が、共有地の分割によって袋地(注)となったものであるとき、Aは、償金を払って他の分割者の所有地のみを通行できる。

(2)水流が地震により低地において閉塞したときは、高地の所有者Bは、水流の障害を除去するために必要な工事を行い、それに要した費用の一部を低地の所有者に請求できる。

(3)土地の所有者Cは、その所有地の水を通過させるため、費用を負担することなく、低地の所有者の設けた工作物を使用できる。

(4)境界線から1mの距離に他人の土地を見通すことのできる窓を設ける者は、目隠しを付ける必要はない。

(注)=他の土地に囲まれて公道に通じない土地。

【問題2-7】

 法定地上権及び一括競売に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)土地の共有者の一人Aが単独で建物を所有する場合に、自己の持分に抵当権を設定し、その実行により第三者が当該土地を競落した場合、Aは共有地上に法定地上権を取得する。

(2)更地に甲の1番抵当権が設定された後、建物が築造された土地につき乙の2番抵当権が設定され、2番抵当権が実行された場合、法定地上権は成立しない。

(3)土地に抵当権が設定された後に、抵当地に建物が築造された場合、抵当権者は、土地と共にその建物も競売しなければならない。

(4)土地の抵当権者が建物も一括競売した場合、抵当権者は、建物の競売代金についても優先弁済を主張できる。

【問題2-8】

 A・Bが2,000万円の連帯債務をCに負っている場合(負担部分は均等)と、DがFに2,000万円の債務を負い、EがDから依頼されて連帯保証人となっている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)AがCから債務の免除を受けるとBの債務も1,000万円に縮減するが、DがFから債務の免除を受けてもEの債務額に影響はない。

(2)Aが債務を承認するとBの連帯債務の時効も中断するが、これはDが債務を承認するとEの連帯保証債務の時効が中断するのと同様である。

(3)債務の支払期日が到来した場合、Cは、A及びBに対して、FはD及びEに対して、同時に2,000万円を請求できる。

(4)全額を弁済したAは、Bに対して1,000万円求償でき、また全額を弁済したDは、Eに対して1,000万円を求償できる。

【問題2-9】

 被用者が、事業の執行について第三者に損害を与えた場合の使用者の責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)使用者の責任の明確化のため、使用者・被用者間に雇用契約が必要であり、したがって、組員の警察官殺傷行為に暴力団組長が使用者責任を負うことはない。

(2)被用者に一般的不法行為が成立していなくても、被害者救済のために、使用者は、この使用者責任を負わなければならない。

(3)使用者は、被用者が勤務時間外に起こした交通事故については、この使用者責任を問われることはない。

(4)被用者と第三者が共同不法行為をした場合、使用者は、被用者は経済的に一体であるから、第三者との関係においても被用者と同じ内容の責任を負い、被用者と第三者との負担部分に応じて、第三者との間で求償関係に立つ。

【問題2-10】

 相続に関する次の記述のうち、民法及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)子が相続を放棄した場合、妻の相続分は増えるが、他の子の相続分には変化がない。

(2)相続人は、遺産分割前に、自己の相続分を第三者に譲渡できるが、他の相続人は、譲受人の承諾を得て取り戻すことができる。

(3)共同相続された普通預金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる。

(4)遺産分割により建物の所有権を取得した相続人は、相続開始後遺産分割までの間そこに居住していた被相続人の妻に対して、その間の賃料相当額を請求することができる。

【問題2-6】 正 解 (4)

(1)は誤り。

土地の分割によって袋地が生じた場合、袋地の所有者は、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合、償金の支払いは不要である(民法213条1項)。

(2)は誤り。

この場合、高地の所有者は「自己の費用」で、必要な工事をすることができる(同法215条)。

(3)は誤り。

この場合、工作物を使用することができるが、その利益を受ける割合に応じ、工作物の設置及び保存の費用を分担する(同法221条)。

(4)は正しく、正解。

境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む)を設ける者は、目隠しを付けなければならないが(同法235条)、1m以上の距離があれば付ける必要はない。

【問題2-7】 正 解 (2)

(1)は誤り。

判例は、建物所有者は共有地上に法定地上権を取得しないとしている(民法388条、最判昭29.12.23)。Aは、単独で地上権を設定できる地位を有することになり、不当だからである。

(2)は正しく、正解。

抵当権の実行による競売では、甲の1番抵当権も同時に精算されるので、更地で評価した甲を不利にさせないためにも、法定地上権の成立は認められない(最判昭47.11.2)。

(3)は誤り。

土地の抵当権者は、土地と共に建物を競売することができるのであって、土地と共に建物を競売する義務はない(同法389条1項、大判大15.2.5)。

(4)は誤り。

建物については、抵当権の設定を受けていないのであるから、優先権を主張できるのは土地の代価についてのみであり、建物の代価について優先権はない(同法389条1項但書)。

【問題2-8】 正 解 (3)

(1)は誤り。

Aが債務の免除を受けると、Aの負担部分だけBも連帯債務を免れる(民法437条)。主たる債務者Dが債務の免除を受けると、付従性により連帯保証人Eの債務も消滅する。

(2)は誤り。

連帯債務においては、債務の承認に絶対効はないので、Bの連帯債務は時効中断しない(同法440条)。連帯保証については、付従性により連帯保証債務の時効も中断する(同法458条、大判昭7.2.16)。

(3)は正しく、正解。

連帯債務の場合、債権者は各連帯債務者に同時に全額を請求できる(同法432条)。また、連帯保証人には催告や検索の抗弁権がないので、FはDとEに同時に全額の支払いを請求できる(同法454条)。

(4)は誤り。

連帯債務に関する記述は正しい(同法442条1項)。連帯保証人には負担部分がないので、DはEに対して求償できない。

【問題2-9】 正 解 (4)

(1)は誤り。

使用関係は、使用者と被用者の間に実質的な指揮・監督関係があればよく、雇用契約は特に必要ではない。判例は、組員の警官殺傷事件について、暴力団組長に使用者責任を認めている(最判平16.11.12)。

(2)は誤り。

使用者責任は、被用者に一般的な不法行為(民法709条)が成立していなければ成立しない。したがって、被害者は、使用者及び被用者のどちらにも、また同時に損害賠償を請求できる(同715条1項)。

(3)は誤り。

判例は、自動車事故の場合は、行為の外形から被用者の職務の範囲に属するとみられる行為も「事業の執行」に含まれるとする(最判昭39.2.4)。したがって、勤務時間外でも、行為の外形から事業の執行中に見えれば責任を負う場合がある。

(4)は正しく、正解。

したがって、使用者が被用者の負担部分を超えて賠償した場合、第三者に求償でき、逆に第三者が支払った場合、被用者の負担部分について求償に応じる責任を負う(最判平3.10.25)。

【問題2-10】 正 解 (3)

(1)は誤り。

妻の法定相続分は全体の2分の1であり、子の相続放棄があっても影響しない(民法900条1項)。放棄した子の相続分は、他の子に帰属する(同条4号)。

(2)は誤り。

共同相続人は、遺産分割前であっても、自己の相続分を自由に第三者に譲渡できる(同法206条)。ただし、他の共同相続人は取戻権を有する(同法905条1項)。取戻しには譲受人の承諾は不要である。

(3)は正しく、正解。

共同相続された普通預金債権、通常預金債権及び定期預金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる(最決平28.12.19)。

(4)は誤り。  

死亡した夫と同居していた妻と遺産分割により建物の所有権を取得した相続人との間には、相続開始から遺産分割までの間、建物の使用貸借契約(無償)が成立していたと考えられるので、その間の賃料相当額を請求することはできない(判例)。

 

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