トータルブレインのマンション最前線 コンパクト市場を検証(都心編) 高額化でも売れ行き好調
住宅新報 2017年10月17日 号 5面
マンションコンサルティングのトータルブレインはこのほど、「高額化する都心のコンパクトマンション市場を検証する」をテーマにレポートをまとめた。近年30~40%の価格上昇が見られるものの、売れ行きに減速感はなく、好調に推移しているという。
同レポートでは、平均面積30~40m2台の物件を対象に「都心」(港、中央、千代田、渋谷、新宿、文京)と「準都心」(目黒、品川、世田谷、中野、台東、豊島)に分けて分析した。
まず、01~17年の供給推移について。「都心」の供給戸数は近年300~400戸台が続いており、01~05年の1000~2000戸規模と比べて大幅に減少している。平均面積には大きな変化がなく、40m2台前半。坪単価は16~17年平均が415.8万円で、01~05年平均(279.7万円)に比べて48.7%の上昇となっている。「準都心」も供給戸数を除くとほぼ同様の傾向だった。供給戸数は、03年と10年の1000戸台以外は、おおむね200~500戸台で推移している。平均面積は43.1m2。坪単価は16~17年平均が371.9万円で、01~05年平均(251.6万円)と比べて47.8%の上昇だった。
次に売れ行き状況について。ディベロッパーに物件(16~17年6月供給)ごとの売れ行き状況をヒアリングしたところ、全42物件中、「好調」が52%と過半数を占め、「苦戦」は12%にとどまった。都心・準都心ともにコンパクト商品の売れ行きは非常に好調な様子がうかがえる。回答が「好調」だった物件の平均像としては、平均坪単価が400万円前後から500万円台、平均価格で5000万円台の高グロス物件だった。
更にレポートでは、実際の購入者とその目的について具体的な供給事例をいくつか挙げて分析。全体としては「実需目的に限らず、様々な人が、様々な目的で買っている」という。ただ、最も多いのは実需層で、「都心」は40~80%前後、「準都心」はそれよりも多く80~100%だった。男女比は4対6から5対5で、女性が多い傾向。「高額だからといって女性比率は決して低くない。女性でも大手企業勤務の高所得サラリーマンが増えている」としている。実需以外にも、投資や富裕層のセカンドハウス、親族居住、地方富裕層の東京での資産形成・資産運用、法人利用、インバウンドといった多様な購入ターゲットが見られた。そうした購入層が最も重要視しているのは「資産性」であり、今回の売れ行きヒアリングで「好調」だった物件の共通点も、(1)都心人気エリア立地、(2)高沿線力の立地、(3)高駅力の立地、(4)駅近の立地、(5)再開発エリア至近の立地――だった。
同レポートでは、「都心の価値はまだ上昇する、または今後低下の可能性は低いと予想する高耐力層が、都心・準都心の高額コンパクトマンション市場を支えていると判断される」としている。また、実需層が重要視しているのは妥協のない商品性の高さであり、具体的には「5メートル以上のワイドスパンで、見栄えと住み心地の良いユニットプランであり、充実した収納スペースやホテルライクな内廊下、外観・共用スペースのデザイン性の高さ、仕様・設備のグレードの高さ」だという。
同レポートでは今後の市場見通しとして「高所得シングル層と富裕層に支えられて、安定したマーケットとして推移していくのではないか」と述べている。





















