トータルブレインのマンション最前線 テーマ「中央線沿線市場の底力」 輸送能力の高さ、後押し
住宅新報 2016年6月7日 号 5面
レポートではまず、中央線と同様に都心から西方面に伸びるその他路線(京王線、小田急線、西武新宿線、田園都市線、東横線、京急本線、東海道線)との「輸送能力」を検証している。
運行本数、所要時間などを比較したものだが、中央線が他路線と比べて特徴的なのは、各駅停車の本数の多さとその所要時間だ。他路線と比べて、特急・急行停車駅と各駅停車駅との所要時間の差(開き)が非常に小さくなっている。裏を返せば、すべての電車が他路線の特急・急行並みに速いということだ。これは、中央線の駅数が少ないということ(駅の希少性が高いこと)でもあるが、その分だけ必然的にバス便が発達しており、駅距離に関する一般消費者の許容範囲も広いと指摘している。そうなれば、駅近立地の希少性は更に高まることになる。
そして、8路線の主要駅の商業集積度についても検証している。生活利便性を比較したものだが、中央線の場合は中野、荻窪、吉祥寺、三鷹、国分寺、立川を対象とした。川崎、横浜、戸塚といったビッグターミナル駅が対象の東海道線を除くと、「病院」「大型商業施設」「スーパー」「コンビニ」のそれぞれで平均店舗数が1~2位となっている。
同レポートでは、中央線の〝強さ〟の秘密について、「高い輸送能力」「駅数の少なさ」、そして「生活利便性の高さ」だと指摘している。
坪単価、大幅に上昇
実際、中央線における近年のマンション市場動向はどうなのか。14~16年の中央線沿線の平均坪単価は約321万円で、10~12年の平均単価と比べた上昇率は25.7%となっている。東海道線の25.8%、京急本線の25.6%と並ぶ上昇率で、京王線の12.3%、小田急線の18.8%、西武新宿線の14.3%、東急田園都市線の20.7%、東急東横線の19.6%と比べると、その上昇率の高さが見て取れる。
そして、中央線のマーケット上の強みは「マーケットボリュームの大きさ」だと指摘。20代の若年層が多いため平均世帯年収はそれほど高くはないようだが、60代以上のシニア層の人口が他路線と比べて非常に多く、高年収や資産を持つ団塊世代層、富裕層の多さが特徴のようだ。特に駅前再開発タワー物件は、沿線のアッパーシニア層が積極的に購入しているようで、これらの層はより利便性が高い住まいを求めているとしている。
ただ、沿線の一般ファミリー層の年収が特別高いわけではないため、近年単価相場が大幅上昇している流れについて、「そろそろ慎重な判断が必要な価格水準に来ている」と注意を促している。





















