廣田信子の紙上ブログ マンション管理応援歌 No.19 市が防災倉庫の設置と撤去を要請
住宅新報 2015年11月24日 号 6面
ある団地の元理事長から、こんな話が…。「自治会に、市の防災課から、自主防災組織として登録して防災倉庫を団地内に設置してくれという要請が。で、管理組合に話を持っていって、プレハブの防災倉庫を設置したんだよね。そうしたら、市の建築指導課から、確認申請が出ていないので法令違反だから撤去しろと言ってきたんだよ」
縦割り行政
管理組合としては、市からの要請で設置したのにと怒り心頭で、「じゃあ撤去しようかと。でも、防災課や自治会は困るというんだよね。確認申請といっても、一団地認定を受けているから、申請し直すには100万円以上かかるというし、こういう縦割り行政、何とかならないのかね…」と。
一団地認定というのは団地の総合設計制度のようなものですから、防災倉庫ひとつ置くのであっても、団地全体の図面を引き直し、一団地認定を受け直さなければならないのです。ゆとりがある敷地で、明らかに容積率も建ぺい率も問題なく、日照の邪魔になるはずもないプレハブ倉庫なのに…です。
そうしたら、別の団地の理事さんからも声が上がりました。
「うちの団地では、市の要請でゴミ置き場の移設工事をしたんだよ。それで、ゴミ収集時間があまりにも遅いので、カラスの被害がひどくて、収集時間を少し早くしてほしいって要望を出したんだ。そうしたら、ゴミ収集は自治会が管轄だから、管理組合からの要望は受け付けられないっていうんだよ。ひどい話だ…」と。
一定規模以上のマンションは、ごみ集積所も道路ではなくマンション内に造らなくてはなりません。ですから、一般にはゴミ集積所の管理は自治会の役割でも、マンションでは管理組合の仕事です。また、自治会が自主防災組織であっても、防災倉庫をマンションの敷地内に設置するとなると管理組合の管轄になります。一般には自治会の管轄であることが、最初から管理組合が関与せざるを得ないことが多いので、マンションは管理組合と自治会がある程度一体じゃないと話がややこしくなる…という声も上がりました。
行政も、マンションに関しては、マンション管理、防災、自治会・町内会の管轄部署の縦割りをなくすことが必要だと改めて思いました。それに今後は、高齢者福祉の管轄もかかわってきますよね。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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