民法改正のポイント ――早い情報が実務で生きる 渡邉不動産取引法実務研究所 代表渡邉秀男【18】 債権編(14) 賃貸借――原状回復の明文化
住宅新報 2015年8月11日 号 14面
連載: 民法改正のポイント
Q 賃貸借については、平成17年に原状回復に関する最高裁の判断が出ましたが、その点についての改正もあったのでしょうね。
A 当然ありました。しかし、皆さんが想像しているような具体的な判断基準についての改正はありませんでした。あくまでも基本的な事項についての明文化です。
まず第1点は、契約が終了したときは、借主にはその賃借物に取り付けた物を収去する義務があるということを明確化したことです。これは、意外と思うかも知れませんが、現行の「賃貸借」に関する条文の中にはこのような収去に関する義務規定はなかったのです。この収去義務については、「使用貸借」の規定の中にあった「収去の権利」として定められていたものを当然義務もあるということで準用してきたのですが、今回の改正で、これを「使用貸借」の規定と合わせて義務として明文化したのです。そのうえで、今まで準用してきた収去の権利として、「賃借物を受け取った後に付属させた物」については収去することができるという規定も明文化しました。
























