民法改正のポイント ――早い情報が実務で生きる 渡邉不動産取引法実務研究所 代表渡邉秀男【11】 債権編(7) 危険負担と買戻し特約の改正
住宅新報 2015年6月16日 号 10面
連載: 民法改正のポイント
Q 改正法の「売買編」における最大のポイントが売主の責任に関する規定の整備にあることはわかりましたが、その他にもありますか。
A あります。1つは、「危険負担」に関する規定(534条)で、もう1つは、「買戻しの特約」に関する規定(579条)の改正です。
まず最初の「危険負担」に関する規定の改正ですが、民法は、不動産のような特定物の場合には「債権者主義」といって、その物件の引渡しを請求する債権者(買主)がそのリスクを負担するということにしています。売主が買主に目的物を引き渡す前に、その物件が売主の責任でない事由によって滅失等した場合、買主は代金支払い義務があります。この規定が実態に合わないということで、実務としてはそのほとんどの売買契約において、特約で「債務者主義」の形にしています。しかし、その物件についての実質的な支配権のない買主にリスクを負担させることが問題だということで、今回の改正で、534条と535条を削除し、536条を「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる」というように改正されることになったのです。
























