随想タウンウオッチ 不動産鑑定士横須賀博 (8) 鑑定士の「そばつゆ」
住宅新報 2015年6月9日 号 8面
神田の「藪蕎麦」は1880年創業、作家の池波正太郎も通ったという。店舗は神田淡路町にあり、神田駅と秋葉原駅に近いため周囲には事務所ビルが多い。その中で「藪蕎麦」だけが木造の2階建てである。最有効使用とは言えないものの、それを補う能力を有するのだろう。
店舗は1階にテーブルを並べた普通のそば屋と同じスタイルである。そんなそば屋だが、いざ食しようとすると、当日の予約はご遠慮願うという。盆暮れや年末ならともかくも、それが毎日続く。予約しない客は予約した客が済むのを待ってテーブルに着くという仕組みである。
そんな盛況を誇る「藪蕎麦」にどんな秘密があるのだろうか。その秘密とは、醤油の味が強い、塩辛い「そばつゆ」である。そのために必然的に「つゆをちょっとだけつけて食べる」という江戸風のそばの食べ方なのだと。それに、そばの中のそばを提供して135年という歴史を持つ。
























