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スタンダード会員限定民法改正のポイント ――早い情報が実務で生きる 渡邉不動産取引法実務研究所 代表渡邉秀男 総則編(3) 双方代理などを無権代理行為と規定

住宅新報 2015年4月21日 号 9面

連載: 民法改正のポイント

資格・実務

 Q 04(平成16)年の民法改正の際に、宅建業者が行っている「両手仲介」が108条の「自己契約及び双方代理」の規定に抵触するのではないかということが問題となり、一時議論をしたことがありましたが、その点についての改正はあるのでしょうか。

 A その点については、全くありません。というより、その「両手仲介」が108条の規定に抵触するということ自体が全く法的根拠のない見当違いのことを言っているので、その点についての改正はないということです。

 Q ということは、条文の改正はあるということですか。

 A そうです。代理人と本人との「利益が相反する行為」について、「代理権を有しない者がした行為とみなす」という規定を新たに追加しました。現行法にはこれまで、自己契約や双方代理を行ったときの「法的効果」がどうなるかという結論を示す規定がありませんでした。これについて、「自己契約や双方代理」を行った者の行為は、「代理権を有しない者が行った行為とみなす」ということにしたわけです。そして、その規定を受けて、代理人と本人との「利益相反行為」についても、同じ「法的効果」が生じるようにしました。

 Q 何となく分かりましたが、それでその「法的効果」というのは、具体的にどのような効果なのでしょうか。

 A それは、端的に言えば、それらの行為は「無権代理行為」として扱うということです。これは、72(昭和47)年の最高裁の判例を受けて改正されることになったのですが、具体的には、それらの「無権代理行為」を行った者は、117条(無権代理人の責任)の規定に従って、相手方の選択に従い相手方に対し「履行または損害賠償」の責任を負うということです。この点は、現行民法と何ら変わっておりません。

 Q ところで、この108条の規定については、そのただし書に「ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」という規定が定められていますが、このただし書の規定は改正法においてはどうなるのでしょうか。

 A 改正法においても、現行法のただし書と全く同じ内容のただし書が定められることになっています。したがって、例えば司法書士が行う登記申請の売主・買主の「双方代理」のような行為は、法に抵触しないというより、もともとその登記申請という行為は法律行為でもなく、単なる債務者が行う「債務の履行」と解されていますので(判例)、「双方代理」の規定に抵触するということはないということです。

 

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