中堅の技 (5) 全住協・優良事業表彰を巡る アジールコフレ大森パークフロント 単身女性焦点に作り込み アーバネットコーポレーション
住宅新報 2013年6月4日 号 5面
連載: 中堅の技
36分の31。全住戸に対する単身女性が契約した戸数だ。それは、単身女性に徹底的に焦点を当てて作り込んだコンパクトマンションが、目論見通りに受け入れられたことを示す数字でもある。
優れた周辺環境
「女性が暮らすにはとても良い立地環境ということで、単身女性に焦点を当てた商品設計に踏み切った」
アジールコフレ大森パークフロントの責任者、アーバネットコーポレーション(東京都千代田区)の梶河孝志取締役執行役員は、こう話す。
東京都大田区、JR京浜東北線大森駅から徒歩4分(京浜急行本線大森海岸駅徒歩5分)。267m2の敷地に、メーンの白に黒のアクセントを入れた、外観デザインのマンションが建つ。
駅から4分の道のりは、夜も見通しが良く明るい。近隣には商業施設が多く立地する。ショッピングにも便利だ。マンションのそばには、入新井公園の緑も広がる。コンパクトマンションが最適と考えた小さな敷地に『明るく清潔感を』と、女性を意識した外観デザインが計画された背景には、こうした周辺環境があった。
細やかな配慮
単身女性が生活する中で求めるものは何か。住戸内は、女性スタッフと打ち合わせを重ねながら、1日の生活を分析して、使いやすいと思うものを網羅していった。
その1つが、洗面化粧室(写真)だ。三面鏡の裏には、化粧をする際、便利な拡大鏡が隠れている。三面鏡の中にある、ティッシュ箱を逆さまに置く仕様は、化粧で手が汚れた時も鏡に触れずに下から取り出せるよう設けた。また、足下の収納扉の裏には、ダストボックスが設置されている。
収納力の高さもポイントだ。ウォークインクローゼットや頭上部分を有効活用するアッパーキャビネットは全戸に採用した。併せて、洗濯機上部に洗剤や洗濯バサミなどを収納できる吊り戸棚、下駄箱にはスリッパホルダーや傘立て、印鑑やカギを入れる小物入れを設けている。
梶河取締役執行役員は、「非常に小さな気配りが、女性の感性に響いたのではないか」と分析する。
居室面積を最大化
平面計画(左上図)も評価された。1フロアは、33~40m2と住戸面積の異なる3タイプを配置した。全てが角部屋で、水回りにも窓を設けるなど、「光だけでなく、風も通すことを意識して窓の配置を考えた」(梶河取締役執行役員)
また、共用部内の廊下を住居スペースの内部に組み込ませることで、専有部の廊下を圧縮して、リビングや寝室の最大化を図った。40m2のプランではLDKは12畳、寝室は4畳を確保している。
平均坪単価は280万円程度。周辺相場からすると、20万円ほど高い設定だったという。「商品自体に自信があった」(梶河取締役執行役員)ことから、専有坪単価の最大値を求めた販売は、11年10月の開始から約半年で完売に至った。 (葭本 隆太)
アジールコフレ大森パークフロント 受賞部門=中高層分譲住宅部門(小規模)▽所在地=東京都大田区大森北一丁目18番3▽総戸数=36戸▽住戸床面積=33~40m2▽階数=地上13階建て▽完成=12年6月
























