中堅の技 (4) 全住協・優良事業表彰を巡る グローベル ザ・ステーション新座グランフォーティアム グロス抑えて付加価値 グローベルス
住宅新報 2013年5月21日 号 5面
連載: 中堅の技
特徴を挙げるなら、免震構造だろう。埼玉県新座市内のマンションでは、初採用だ。あるいは、生ゴミを排水口で細かく粉砕して、水と一緒に流せるディスポーザなどの設備導入もそれと言える。駅近で東京ドーム約16.5個分の開発エリアという立地も大きい。ただ、ここではもう1つの特徴に触れたい。50~60m2の3LDK(もしくは3DK)住戸が全84戸の半分を占めるということだ。
エリア特性に逆行
「面積を抑えて、付加価値を盛り込んだ。エリア特性とは逆行する提案がうまくいったのではないか。周辺の他物件に比べて、坪単価は割高(平均坪単価は165万円で、周辺物件に比べて20万~30万円ほど高い)だが、他にこれだけの設備が揃ったものはないということで、決めてもらえたと理解している」
グローベルザ・ステーション新座グランフォーティアム(以下、フォーティアム)を担当したグローベルス(東京都渋谷区)業務推進部の竹谷治郎部長は、こう話す。
JR武蔵野線新座駅から徒歩3分。一体開発した地上15階建て2棟が建つ。統一コンセプトの下、企画したグローベルザ・ステーション新座グランエンブレム(以下、エンブレム)とフォーティアムだ。エンブレムの先行販売から4か月。10年10月に販売を開始した、フォーティアムは、全84戸が半年ほどで完売した。
同エリアの需要者は一般に、広さを求める傾向があるという。実際、両物件へのモデルルーム初来場時のアンケートによると、70m2以上の希望が47%いた。一方で、50~60m2未満の希望は9%にとどまっていた。商品企画としては、ミスマッチとも言える。
しかし、グロスを抑えて導入した付加設備が、その9%を押し上げた。「もちろん、広さが受け入れられない人はいた。ただ、それと引き換えの部分を天秤に乗せて検討された方には響いた。成約歩留まりが19%と高かった」(竹谷部長)
そこには過去の経験も貢献した。2棟の近くには、同社が06年に竣工した物件、ライオンズグローベル新座ステーションプラザ(総戸数56戸)が建つ。「今回の物件よりは広いが、60m2台前半(62m2.3LDKが14戸あった)の物件も販売が好調だった。コンパクトタイプもいけるのではないかという分析があった」(同)
安全訴求で免震採用
付加価値として前面に押し出した免震構造は、07年の新潟県中越沖地震など、頻発する大規模地震を背景に採用した。免震構造を採用しやすい立地条件も大きかった。
免震構造は1階部分と基礎部分の間などに、薄いゴムと鋼板を積み重ねた積層ゴムなどからなる免震層を作って、それが建物に伝わる地震力を低減する仕組みだ。免震建物は地震時、地盤面に対して相対的に大きく動く。建物と地盤との間には、それを吸収するスペースが必要になる。この点、2棟を計画した敷地は、そのスペースを設けるだけの余裕があった。地盤が良好で、免震層を設けやすいということも後押ししたという。
また、免震構造によって建物に入る地震力が低減されるため、柱を細くするなど、建物の構造コストが抑えられた。建築部分を担当した同社建築部の東村秀文副部長は、「様々な要因を加味すると、建築費増加にならないことが分かったため、採用しやすかった」と話す。
販売現場では、駅近や開発が進むエリアで将来が期待されるといった立地はもちろんだが、免震構造の採用に対する評価が、多く聞かれたという。 (葭本 隆太)
グローベル ザ・ステーション新座 グランフォーティアム 受賞部門=中高層分譲住宅部門(中規模)▽所在地=埼玉県新座市野火止5-2-42▽総戸数=84戸▽住戸床面積=48~70m2▽階数=地上15階建て▽完成=12年3月























