ADR(裁判外紛争解決手続き)は裁判に比べて、簡易・低廉・柔軟さをもったトラブル解決が可能になるが、これは消費者のみならず、不動産・建築事業者にとっても有益な制度である。今回は、法務大臣認証機関である日本不動産仲裁機構が取り扱うADRを実施する「調停人」としての基礎資格となった「太陽光発電アドバイザー」資格制度を運営する特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会の大谷昭二理事長から、太陽光発電に関するトラブル事例を紹介してもらう。
太陽光発電に関する消費者と事業者のトラブルの主なものの一つとして、「解約」があります。「事業者が商品を売りたいあまり、故意に大げさな表現をしたり、誤った情報を伝える」というケースももちろん存在していますが、大多数の善良な事業者が注意しなければならないのが、「消費者と事業者の認識の食い違いからトラブルに発展してしまう」というケースです。
事業者にはだます意図などもちろんありませんが、商品やサービスに対する理解が十分でなかったために消費者に誤った情報を伝えてしまったというものです。そして、太陽光発電に関する商品やサービスでは、この種の伝達ミスが多くなっています。というのも、太陽光発電は比較的新しいものであると共に技術の進歩もあるため、知識のアップデートができていない営業マンも存在しているからです。
更に、電力買い取りや助成金に関する制度も随時変更されます。発電された電気の流れや手続きについてもきちんと理解しておかなければなりません。つまり、消費者に正しい情報を伝えるためには、事業者全体から営業マン一人ひとりに至るまでが、積極的な情報収集を継続的に続け、更には情報の伝達技法も研鑽していかなければならないのです。


























