ADR(裁判外紛争解決手続)は裁判に比べて、簡易・低廉・柔軟さをもったトラブル解決が可能になるが、これは消費者のみならず、不動産・建築事業者にとっても有益な制度である。今回は、法務大臣認証機関である日本不動産仲裁機構が取扱うADRを実施する「調停人」としての基礎資格となった「太陽光発電アドバイザー」が、過去現場で関わってきた太陽光発電をめぐるトラブル事例を特定非営利活動法人日本住宅性能検査協会の大谷昭二理事長から紹介してもらう。
太陽光発電では、四季それぞれに応じて発生しやすいトラブルがあります。例えば、接地型の場合、夏は「雑草トラブル」があります。これは生い茂る雑草の影響によって(1)パネルに影ができ発電量が低下する(2)発電機器に雑草が詰まり故障する(3)虫が発生し、近隣から苦情がくる等があります。また、冬は積雪によって(1)雪の重みで発電機器が損傷する(2)パネルに積もった雪が滑り落ちて被害が出る等があります。
そして、これからやってくる梅雨の時期では、「雨漏り」に関するトラブルが起こるケースがあります。A氏は築20年の戸建マイホームに住んでいましたが、住宅点検の際に補助金も受け取ることができると太陽光発電を事業者B社から勧められ、導入することにしました。太陽光発電機器の設置後1年間程は安定稼働をしており、A氏も満足していたのですが、梅雨の時期、天井部分に黒いしみができていることに気がつきました。
A氏は太陽光発電機器を設置した影響であるとB社に連絡。B社は太陽光パネルやパワーコンディショナー等の取り付け方法が適切であったかを確認しましたが、これは適切なものであり、雨漏りの原因は他にあると結論を出しました。しかし、A氏はこの報告に納得できずトラブルとなりました。

















