酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶32 東上野 鳥清 燗酒を傾け鶏なべをつつく
上野駅を降り、昭和通りの東側エリアを4~5分ほど御徒町方面に下ると、老舗居酒屋や蕎麦屋、古い佃煮屋などが集まる東上野エリアに入る。外国人観光客や若い人たちで賑わうアメ横とは対照的に落ち着いた場所だ。「(続く) -
酒場遺産 ▶31 東京・人形町 鳥正 創業48年、地酒と魚料理が評判
人形町には数多くの魅力的な酒場がある。日の沈む時刻に裏通りなどを歩けば、かつて花街であった頃の色香が、時を経ても街のあちらこちらから水蒸気のように漂うような妄想に囚われる。「酒場遺産」では笹新、加島(続く) -
酒場遺産 ▶30 渋谷・浜町 富士屋本店 酒と食の素晴らしさ変わらず
酒場好きには広く知られた立飲みの聖地と言われた「大衆立呑酒場 富士屋本店」。渋谷桜丘の坂の道に面するこの店は、元々酒屋が1971年にはじめた立飲み屋(角打ち)で、古いビルの地下の立飲み、上階の立飲みワイン(続く) -
酒場遺産 ▶29 神奈川・横須賀 中央酒場 都心にはないオープンさ
東京都心から少し足を延ばし横須賀へ。品川から京急特快で47分、横須賀は意外と近い。横須賀は酒場文化でも首都圏の特異点だ。米軍基地や海上自衛隊があり、米兵やその家族、白い制服姿の海上自衛隊の人たちを多く(続く) -
酒場遺産 ▶28 東京・人形町 大衆割烹 京家 艶のある街の活きのいい店
人形町は艶のある街だ。大小無数の魅力的な飲食屋や酒場があり、酒飲みには歩くだけで心踊る街だ。かつて明暦3年(1657年)に大火があり、幕府の命で浅草日本堤に移転するまで、人形町は幕府公認の遊郭「吉原」があ(続く) -
酒場遺産 ▶27 東京・四谷荒木町 小料理 満まる 戦後の空気残す希少な店
四谷荒木町は、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅からすぐ近くに残された、路地が魅力のエリアだ。この辺りはかつて江戸時代には美濃国高須藩藩主松平義行の屋敷があった。その後、屋敷跡地に「策の池」などがつくられ景(続く) -
酒場遺産 ▶26 新宿西口 バガボンド 絶滅危惧種の空間と濃密な空気感
かつての新宿文化を色濃く残す老舗ジャズバー「バガボンド」を紹介したい。新宿西口駅近く小田急ハルク裏の通り、通りに面した扉を開け、2階への直線階段を上ると、そこは異空間。古き良きアメリカ、昭和の日本、(続く) -
酒場遺産 ▶25 東京・十条 斎藤酒場 愛好家の五指に入る老舗
酒場愛好家の間では名の知られた斎藤酒場は東京五指に入る老舗酒場だ。埼京線東十条駅西口を降り、細い路地に入るとすぐに古色蒼然とした酒場の姿が見える。1928年(昭和3年)に酒販店として創業、戦後に二代目が酒(続く) -
酒場遺産 ▶24 東京・白山 立呑処なかや 鳥の白レバーが絶品
白山上の交差点から、紫陽花で有名な白山神社へ下る坂道の途中に、軒の低い「立呑処なかや」はある。夕刻早い時間から空いており年中無休(時々日曜は休む)。そう広くない店だが、入って左側に厨房があり、木の内装(続く) -
酒場遺産 ▶23 牛込神楽坂 角打ち 飯島酒店 暖かい人柄の店主と女将が魅力
牛込神楽坂駅から徒歩5分、納戸町の住宅街の中にポツンと建つ飯島酒店は本物の角打ちだ。酒もつまみも原価販売、酒屋としての筋を通し「居酒屋」にはしない。日本酒、焼酎、ワイン、ビール、ノンアルコールなど何(続く) -
酒場遺産 ▶22 神田 お多幸神田店 研究熱心な、おでんがうまい店
寒い季節になると、おでんをつつきたくなる。いや、夏でもおでんが恋しくなる。おでんの店「お多幸」は都内・首都圏にいくつかあるが、神田店は住まいが近いこともあり年に数度訪れる。お多幸は1923年に創業され、(続く) -
酒場遺産 ▶21 佐竹商店街 「まこつ」・「真澄」 秋田藩由来の商店街に新旧の人気店
東京の下町、台東区の新御徒町駅近く、春日通りから清洲橋通りの間に「日本で二番目に古い商店街」と言われる全長330メートルの佐竹商店街アーケードがある。かつて秋田藩の上屋敷が廃藩置県を経て陸軍省用地とな(続く) -
酒場遺産 ▶20 東京・新橋駅前第一ビル 「信州おさけ村」 マニアックな博物館的酒場
前回に続き、新橋駅前第1ビル「庫裏」と同じ1階の「信州おさけ村」を紹介したい。店内は立ち席のみで15人も入れば一杯になるが、ビルの通路にはみ出し飲んでいる光景は一見の価値がある。そして、酒好きには堪らな(続く) -
酒場遺産 ▶19 東京・新橋駅前第一ビル 「庫裏」 人と出会う昭和の酒場空間
新橋にはJR駅を取り囲むように、東口と西口にひときわ築古の雑居ビル「ニュー新橋ビル(西口)」と「新橋駅前第1・第2ビル(東口)」が建つ。この一帯は1945年の東京大空襲で焼失、終戦後にはヤミ市が生まれた。その後(続く) -
酒場遺産 ▶18 東京・飯田橋 「鳥政」 3代続く絶品ハツの店
飯田橋東口。無数のリベットが光るハードボイルドな鉄橋のガードをくぐると、堀沿いに立つ直方体の素っ気ない「千代田街ビル」が見える。街の再開発が進む中、この古いビルは時代に取り残されたままだ。創業85年の(続く) -
酒場遺産 ▶17 東京・阿佐ヶ谷 酒の三矢 裏の部屋 まちのコミュニティを醸成
一度訪れたいと思っていた阿佐ヶ谷の角打ち「酒の三矢」。阿佐ヶ谷駅から長いアーケード「阿佐谷パールセンター商店街」を南へ10分ほど歩くと、左手に大正13年から続く老舗酒屋「酒ノみつや(三矢酒店)」がある。そ(続く) -
酒場遺産 ▶16 東京・湯島 黒門町「なばや」 先代の店、子息がつなぐ
千代田線湯島駅近く、不忍通りから少し入った路地の焼き鳥屋「なばや」へ昼時に入った。頼んだ串焼重(1000円)が香ばしく美味かった。年配の女将から「主人が亡くなりましたので、お荷物ですがお持ち下さい」と日本(続く) -
酒場遺産 ▶15 東京・蒲田西口 まち呑み 湯上がりにディープに酔う
前回の「野毛」に続き、まち呑み(街の歩き吞み)である。今回は蒲田西口だ。 蒲田駅はJR京浜東北線と東急池上線と東急多摩川線、そしてJR駅から東へ10分ほど歩くと京急蒲田駅があり、羽田空港線へと分岐する。以前(続く) -
酒場遺産 ▶14 東京・横浜野毛 まち呑み 600件が軒連ねる大人の遊園地
野毛の魅力を一言で伝えるのは難しい。横浜桜木町駅から国道16号線を渡ると面的に広がる「酒場の街」野毛。600ほどの飲食店があるという。戦後は闇市や屋台がひしめき、かつて美空ひばりがデビューした横浜国際劇(続く) -
酒場遺産 ▶13 東京・南砂 「山城屋」 骨太の老舗に抱かれて
土曜の夕刻、古い友人を誘い、神田駅前からバスに乗り江東区南砂の山城屋へ。どの駅からも徒歩20分ほど、この辺りでは珍しい「陸の孤島」だ。飲食店もまばらな清洲橋通り沿い、「北砂一丁目」でバスを降りると「大(続く)