酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶92 高円寺 立ち飲み 七助 破格に安い刺身の旨さに驚き
高円寺北口を出て左側、阿佐ヶ谷方面へと続く、飲食店や風俗店などがぎっしりと並ぶ中通り商店街(セントラルロード)に入って、すぐ右手に「たち飲み 七助」と書かれたひときわオンボロな飲み屋がある。店名の書か(続く) -
酒場遺産 ▶91 高円寺 大衆割烹 真佐 老舗の料理は正統派
高円寺駅から阿佐ヶ谷方向へ続くJR中央線の高架下の道を、路上酒場で賑わっているエリアの先へ歩くと、めっきり通行者も少なくなり、薄暗い高架下の天井にパラパラと並ぶ蛍光灯が淋しさを醸し出す。そんな辺りに、(続く) -
酒場遺産 ▶90 静岡焼津 食事処かどや 漁師町ならではの極楽酒場
初めて静岡県焼津を訪ねた。焼津駅北側の工業団地での往査を終えた後に、ご一緒した大先輩のN氏と焼津駅の海側の街を歩いた。焼津の町は、全国有数の水揚げ高を誇る焼津漁港を中心に発展した港町だ。駅から15分ほ(続く) -
酒場遺産 ▶89 静岡 青葉おでん街 老夫婦が経営する「愛ちゃん」
出張の帰り道、ふらり静岡の街を歩いた。静岡駅から北西方向に約15分歩いた辺りに「青葉おでん街」という 21の小さなおでん屋が軒を連ねる横丁がある。夜はひときわ明るく目立つ、昭和の匂いが一杯の一角だ。その(続く) -
酒場遺産 ▶88 庚申塚 御代家 駅のホームに面している酒場
三ノ輪から都営荒川線に乗った。庚申塚停留場(豊島区西巣鴨)まで走り、以前から気になっていた、駅のホームに面している酒場「御代家」を初めて訪れた。ホームから入る店は珍しい(切符なしで入れる)。外からはひっ(続く) -
酒場遺産 ▶87 横浜関内 Roundabout 創業10年余りも空気感は遺産
横浜のベイエリア、関内の繁華街から少し離れた街区の角地のビル2階に、「ROUNDABOUT(環状交差点の意)」と書かれた、大きな額縁の中に店内が丸見えの酒場が現れる。階段を上がり2階のバーの扉を開けると、10席ほど(続く) -
酒場遺産 ▶86 谷中銀座 角打ち 越後屋酒店 明治37年創業で100年以上
谷中は、江戸時代に神田あたりの寺が移され寺町となったという。関東大震災や第2次世界大戦の空襲の影響が少なかったためかつての街並みが残されており、下町情緒の味わえる人気のエリアとなっている。とりわけJR(続く) -
酒場遺産 ▶85 浅草橋 洋食 大吉 「池波正太郎が通った店」
馬場啓一氏の著書「池波正太郎が通った店」の中で、この店をこよなく愛したという池波正太郎の言葉が残っている。「清潔で活気にみちた店内、親切なサービス。 良心的な値段と味。これはまさに、戦前の東京下町の(続く) -
酒場遺産 ▶84 浅草橋 酒寮むつみ屋 大正初期、酒好きロシア人ら始まり
ある金曜の夕刻、日本橋浜町での会議が終わり、ぶらり歩いて浅草橋まで来た。木の格子の引き戸の上には、「浅草橋名代 酒寮むつみ屋」の年季の入った暖簾が掛かる。数年ぶりに訪れたむつみ屋は、何ひとつ変わって(続く) -
酒場遺産 ▶83 東京・浅草橋 水新菜館 奥にワインバー併設の中華店
JR浅草橋駅を降り、正面の江戸通りを左手に少し歩くと、「中華料理 水新菜館」と書かれた渋い2階建ての民家風建物がある。前知識なくともオーラを感じるから不思議だ。1897年(明治30年)の創業から、この町で長きに(続く) -
酒場遺産 ▶82 台東 八百屋の角打ち 藤本商店 新角打ち1500円セット
今回は「八百屋がやっている角打ち」である。毎月第2金曜日に八百屋「藤本商店」店主の藤本健次郎さんが開く角打ちなので、「酒場遺産」に相応しいか迷ったが、希にはこんな趣向もあろうかと思い紹介させていただ(続く) -
酒場遺産▶81 伊東 舟や 一軒家の隠れた割烹料理店
前回、前々回と伊東の酒場を紹介してきたが、今回も筆者とっておきの店だ。伊東大川沿いには東海館など由緒ある歴史的建造物が並ぶが、河口近くに少し傾きかけた一軒家の割烹料理店「舟や」がある。伊東漁港の新鮮(続く) -
酒場遺産 ▶80 伊東 元気 市場に出せない小魚が絶品
伊東駅を降りたち駅前ロータリー右方向の「湯の花通り」を歩くと、その先の「キネマ通り」という閑散としたアーケード街が終わる五叉路交差点の手前に、居酒屋「元気」がある。以前、筆者は仕事の関係で東松原町に(続く) -
酒場遺産 ▶79 伊東 和食家 一粋 温泉街で東京にない珍味に舌鼓
伊東は熱海駅からJR伊東線で約25分の、言わずと知れた温泉町である。古くは平安時代から湯治場として栄え、幸田露伴、川端康成、尾崎士郎などの文人が訪れたことでも有名だ。別府温泉・由布院温泉に次ぐ湯の湧出量(続く) -
酒場遺産 ▶78 野毛 日の出理容院 バーと気づかない立ち飲み店
川に向かって湾曲して張り出す野毛都橋商店街の近く、斜めに入った路地に面し不思議なバーがある。歩いていても見過ごしてしまうような入口、看板もなく曇りガラスには「日の出理容院」とだけ縦書きに書かれる。中(続く) -
酒場遺産 ▶77 横浜野毛 末広 最高の焼鳥を最高の状態で
野毛には、いくつか名店と言われる焼鳥屋があるが、「末広」はその中でも最も知られた人気の焼鳥店である。引き戸を開けると、左手に厨房とカウンター、右手に2人掛けのテーブル席、奥に小上りがある(全37席)。昭(続く) -
酒場遺産 ▶76 高円寺 小杉湯とはらいそ バラック風の酒場
高円寺ラバーの筆者は、南口の「小料理屋 休」(本紙連載第9話)で飲み、中通り商店街の「唐変木」(第75話)で〆ることが多いのだが、たまに「小杉湯」へ歩くこともある。飲み過ぎの方にはお薦めできないが、酒の後の(続く) -
酒場遺産 ▶75 高円寺 唐変木 昭和にタイムスリップ
高円寺駅北口から北西方面に走る、小さな飲食店や風俗店などが並ぶ中通り商店街(セントラルロード)を5分ほど歩くと「高円寺村大字居酒屋 唐変木」と書かれた小さな看板が路上に置かれている。そこを左手の幅1メー(続く) -
酒場遺産 ▶74 高円寺 一徳 JAZZと大将で人気店に
高円寺はちょっとアナーキーで魅力的な街だ。個性的な酒場も多い。その一つが駅から徒歩5分ほどの「一徳」である。狭い店だがコの字カウンターに12席、厨房では大柄で丸刈りの大将(山下さん)がワンオペで忙しく働(続く) -
酒場遺産 ▶73 札幌 ふらの 気持ちの落ち着く良い酒場
昨年、毎年恒例のセミナー講師の仕事で札幌を訪れた。5月下旬の札幌は湿度も低く快適だ。中島公園では花々が咲き、木々もまだ新緑で眩しい。この仕事は20年以上続けているが、この美しい時期に札幌を訪れることを(続く)