酒場遺産 記事一覧
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酒場遺産 ▶45 品川 品川駅港南商店街 闇市跡の迷路
JR品川駅改札を出て、港南口へ向かう2階レベルの長く巨大な通路には両壁にデジタルサイネージ画面が連続し、一種異様な感覚になる。港南口へ出ると、右手にインターシティなどの超高層ビル群があり、左手にはNTTグ(続く) -
酒場遺産 ▶44 湯島 川中島 創業100年の焼き鳥屋
不忍通り沿いの千代田線湯島駅6番出口に隣接し、風情ある看板建築(建築物の前面だけ看板のように立ち上げた木造建築)が建つ。今回訪れたのは大正13年創業の焼き鳥屋「川中島」だ。湯島駅隣だが、住所は台東区上野(続く) -
酒場遺産 ▶43 上野 たる松本店 壮観な四斗樽
JR上野駅と御徒町駅の間の山手線高架周辺は、アメ横を中心とした無数の酒場が広がる繁華街だ。最近は完全に多国籍化しており、インバウンド観光客、若い人たちのグループを中心に平日の昼間から盛況だ。筆者の住ま(続く) -
酒場遺産 ▶42 上野アメ横 「魚草」 アメ横の料亭
アメ横の山手線高架下、中華屋台などに挟まれた3坪ほどの「魚草」は、赤いテント地の庇が目立つ吹きさらしの立呑屋だ。開業11年目。正面には「必食・生とレアで蒸し上げる究極の蟹」の文字が掲げられ、その脇には(続く) -
酒場遺産 ▶41 大阪天王寺 明治屋 再生された老舗酒場
当連載では首都圏の酒場を紹介してきたが、たまに全国津々浦々とはいかぬまでも地方の酒場も紹介したいと思う。首都圏はおろか全国となれば、無数の素晴らしい酒場があるに違いないから、筆者と縁のあった酒場とな(続く) -
酒場遺産 ▶40 赤羽 まるよし 日の高いうちから老舗酒場で
最近、赤羽は酒場の聖地だ。朝から暖簾を掲げる酒場が多く、「朝酒・昼ベロ(昼からベロベロの意)」の街として紹介されることも多い。東口北寄りのOK横丁・一番街辺りは特に賑わい古い酒場や新しい酒場が立ち並ぶ。(続く) -
酒場遺産 ▶39 神保町「兵六」 創業75年 神保町の小宇宙
神保町の靖国通りとすずらん通りの間、旧三省堂ビル裏側の路地の角に、小さな酒場「兵六」はある。いつも満席で、横目で見て通り過ぎていたが、先日17時の開店時間5分前に並ぶと難なく入ることができた。独自の流(続く) -
酒場遺産 ▶38 神田淡路町 居酒屋しんえつ 北陸料理で「90分せんべろ」
都営新宿線と東京メトロ丸の内線が交差する淡路町駅から、北西側に少し入った細い通りに面するこの北陸料理の店が以前から気になっていたが、先日初めて仕事の帰りに寄ってみた。期待以上の店だった。キャパは28席(続く) -
酒場遺産 ▶37 清澄白河 だるま 庶民文化とハイカルチャーつまみに
都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線は交差する清澄白河駅付近は下町エリアだが、付近には東京都指定名勝の回遊式林泉庭園「清澄庭園」、1995年開館の東京都現代美術館、ヨーガンレールなどがあり、最近ではブルーボ(続く) -
酒場遺産 ▶36 清川 (山酔酒場) ディープ山谷エリアの着物姿の女将
南千住から明治通りを南に下ると「山谷」エリアだ。山谷は台東区の北東部清川・日本堤・東浅草一帯の旧地名で、労働者が集まる寄せ場とドヤ街の通称として使われる。旧吉原遊廓の位置とも重なる歴史の濃いディープ(続く) -
酒場遺産 ▶35 南千住 「大坪屋」 昭和のオーラを纏うディープ酒場
南千住はここ30年ほどで街の様子が大きく変わった。南千住駅の東口には墨田川に囲まれた土地に大団地ができた。木造家屋が密集し昭和の香りが残っていた東口も、つくばエクスプレス開業を契機とする再開発で2020年(続く) -
酒場遺産 ▶34 アメ横 「夜行列車」 「北の玄関口」に日本酒ずらり
アメ横はJR山手線の上野駅と御徒町駅の高架下とその西側に南北約600メートルの範囲に広がる飲食・商店街である。正式名称はアメ横商店街連合会。約400店がぎっしりと立ち並ぶ。高架下にも小さな店が集積している様(続く) -
酒場遺産 ▶33 上野 北畔 みちのく料理と青森の地酒
「北畔(ほくはん)」は上野アメ横近く、昭和通りから一本入った通りの、酒場遺産の名に相応しいみちのく酒場だ。 NHK「きょうの料理」を35年担当したという料理研究家の阿部なをさんが、故郷であるみちのく(青森)(続く) -
酒場遺産 ▶32 東上野 鳥清 燗酒を傾け鶏なべをつつく
上野駅を降り、昭和通りの東側エリアを4~5分ほど御徒町方面に下ると、老舗居酒屋や蕎麦屋、古い佃煮屋などが集まる東上野エリアに入る。外国人観光客や若い人たちで賑わうアメ横とは対照的に落ち着いた場所だ。「(続く) -
酒場遺産 ▶31 東京・人形町 鳥正 創業48年、地酒と魚料理が評判
人形町には数多くの魅力的な酒場がある。日の沈む時刻に裏通りなどを歩けば、かつて花街であった頃の色香が、時を経ても街のあちらこちらから水蒸気のように漂うような妄想に囚われる。「酒場遺産」では笹新、加島(続く) -
酒場遺産 ▶30 渋谷・浜町 富士屋本店 酒と食の素晴らしさ変わらず
酒場好きには広く知られた立飲みの聖地と言われた「大衆立呑酒場 富士屋本店」。渋谷桜丘の坂の道に面するこの店は、元々酒屋が1971年にはじめた立飲み屋(角打ち)で、古いビルの地下の立飲み、上階の立飲みワイン(続く) -
酒場遺産 ▶29 神奈川・横須賀 中央酒場 都心にはないオープンさ
東京都心から少し足を延ばし横須賀へ。品川から京急特快で47分、横須賀は意外と近い。横須賀は酒場文化でも首都圏の特異点だ。米軍基地や海上自衛隊があり、米兵やその家族、白い制服姿の海上自衛隊の人たちを多く(続く) -
酒場遺産 ▶28 東京・人形町 大衆割烹 京家 艶のある街の活きのいい店
人形町は艶のある街だ。大小無数の魅力的な飲食屋や酒場があり、酒飲みには歩くだけで心踊る街だ。かつて明暦3年(1657年)に大火があり、幕府の命で浅草日本堤に移転するまで、人形町は幕府公認の遊郭「吉原」があ(続く) -
酒場遺産 ▶27 東京・四谷荒木町 小料理 満まる 戦後の空気残す希少な店
四谷荒木町は、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅からすぐ近くに残された、路地が魅力のエリアだ。この辺りはかつて江戸時代には美濃国高須藩藩主松平義行の屋敷があった。その後、屋敷跡地に「策の池」などがつくられ景(続く) -
酒場遺産 ▶26 新宿西口 バガボンド 絶滅危惧種の空間と濃密な空気感
かつての新宿文化を色濃く残す老舗ジャズバー「バガボンド」を紹介したい。新宿西口駅近く小田急ハルク裏の通り、通りに面した扉を開け、2階への直線階段を上ると、そこは異空間。古き良きアメリカ、昭和の日本、(続く)